朝日小学生新聞を発行する朝日学生新聞社では、
全国の小学生を対象に「いつもありがとう」作文コンクールを
主催しています。
ある回の最優秀賞、小学1年生の松橋一太くんの作文をご紹介します。
全文はほとんどひらがなですが、おとなにはやや読みにくいため、
一部を漢字に換えてご紹介します。
【最優秀賞】てんしのいもうと
新潟県 1年 松橋一太
ぼくには、天使の妹がいます。
夜中、ぼくは、おとうさんと病院の待合室に座っていました。
となりにいるおとうさんは、少しこわい顔をしています。
いつも人でいっぱいの病院は、夜中になると
こんなに静かなんだなあと思いました。
少したってから、目の前のドアがあいて、
車いすに乗ったおかあさんと看護師さんが出てきました。
ぼくが車いすを押すと、おかあさんは悲しそうに、
歯を食いしばった顔をして、ぼくの手をぎゅっと握りました。
家に着くころ、お空は少し明るくなっていました。
ぼくは一人っこなので、妹が生れてくることがとても楽しみでした。
おかあさんのおなかに妹が来たと聞いてから、
毎日、ぬいぐるみでおむつがえの練習をしたり、
妹の名前を考えたりして過ごしました。
ご飯を食べたり、おしゃべりしたり笑ったり、
公園で遊んだり、テレビを見たり、今まで三人でしていたことを、
これからは四人でするんだなあと思っていました。
でも、春休みの終わり、
トイレでぐったりしながら泣いているおかあさんを見て、
これからも三人なのかもしれないと思いました>>>
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さみしくて、悲しかったけど、それを言ったら
おとうさんとおかあさんが困ると思って言えませんでした。
ぽかぽかの暖かい日、ぼくたちは、善光寺さんへ行きました。
妹とバイバイするためです。
はじめて四人でお出かけをしました。
ぼくは、妹が天国で遊べるように、折り紙でおもちゃをつくりました。
「また、おかあさんのおなかにきてね。
こんどは生まれてきて、一緒にいろんなことしようね」と、
手紙を書きました。
ぼくは、手を合わせながら、ぼくの当たり前の毎日は、
ありがとうの毎日なんだと思いました。
おとうさんとおかあさんがいることも、
笑うことも、食べることや話すことも、
全部ありがとうなんだと思いました。
それを教えてくれたのは、妹です。
ぼくの妹、ありがとう。
おとうさん、おかあさん、ありがとう。
生きていること、ありがとう。
ぼくには、天使の妹がいます。
だいじなだいじな妹がいます。