「南三陸病院」という新しい病院が2014年12月に復興しました。
この病院の前身は、宮城県南三陸町で、
ただ一つの総合病院だった「公立志津川病院」という名前でした。
この病院は台湾から何と20億円以上の支援を受けて、
新設復興したものでした。
実は台湾からの支援は、南三陸病院再建だけでなく、
東日本大震災以降、トータルで200億円以上にも上っているのです。
このことから、江ノ電鎌倉駅では「台湾への感謝」を、
ある形に表していました。
この駅の定期券売り場近くには、1枚のポスターが貼られています。
中国語表記ですが、和訳するとこうです。
『台湾の皆さん、ようこそ鎌倉へ!
東日本大震災での大きな恩はずっと忘れません。
ありがとう台湾!』
なぜ、江ノ電鎌倉駅が台湾の方へのお礼を表示しているのか。
鎌倉は、アニメ「スラムダンク」の舞台となった地でもあり、
同作の台湾人ファンが観光に訪れることで知られています。
実際にこの貼り紙に感動し、
「泣きそうになった」という台湾人の方の投稿が、
ネットで拡散され注目を浴びました。
また貼り紙だけでなく、江ノ電では台湾の人々のために、
こんな特別のサービスを提供しています。
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江ノ電では、台湾の鉄道会社と協力して、
お互いの鉄道も、…それに何より台湾の観光客のためにも、
ウィンウィンのサービスを考えました。
「1日乗車券持参で相互サービスを展開」
というものです。
鎌倉から台湾に帰国したお客様には、こんなサービスです。
江ノ電で使用済みの「一日乗車券”のりおりくん”」を、
台北駅および瑞芳駅に、パスポートと共に持参すれば、
「平渓線一日周遊券」を無償で提供します。
これから来日される方には、こんなサービスです。
同じく使用済みの「平渓線一日周遊券」を江ノ電の
「藤沢駅」「江ノ島駅」「鎌倉駅」の乗車券窓口に持参すれば、
「江ノ電一日乗車券”のりおりくん”」を無償で提供します。
2013年5月から始まったこの取り組みは、
当初2014年3月末で終了する予定でした。
しかし、多くの利用者が鎌倉を訪れたことで、
2015年3月末までに延長、
そして2016年にも同じく再延長されました。
2017年もやはり4月1日以降、延長とのお知らせがありました。
三度に渡る延長からも、台湾から多くの観光客が
来られているのが分かります。
前述のポスターの文面は、日本人からすれば
「受けた恩に対しての感謝」を述べているに過ぎません。
しかし、その感謝に対して更に感謝を返してくれる。
…これは素敵な連鎖と言えるのではないでしょうか。
もともと台湾と日本との間には、
(政治的な反対意見はありましょうが)
一定の理解は形成されていました。
国家間の友情や信頼関係は、
このように民間レベルから更に育っていく、
そういう事例になりそうな江ノ電の取り組みです。
参考URL:https://www.enoden.co.jp/tourism-news/3008/
※江ノ電の台湾とのタイアップは、いったん2018年3月で終了しています。