子どもたちに教えられる日々です

a021
育園で、二歳児のクラスを担当していた頃のこと。

その日の夕方は、自由遊びの時間でした。

お部屋の中は、カタコトの言葉がにぎやかに飛び交い、
子どもたちは思い思いのおもちゃで遊んでいました。

A子ちゃんは、最近お家でのストレスが少し貯まり気味なのか、
お友達におもちゃを貸してあげずに、「ひとり占め」をしていました。

仲良しのB子ちゃんが、「これ貸して?」と言っても、
「ダメ」「いや」の連発でした。

B子ちゃんは仕方なく、遠くにあるおもちゃ箱の中から、
少々くたびれたクマのぬいぐるみを持ってきました。

「お耳がとれちゃったのね。お薬をつけましょう」と、
B子ちゃんが遊んでいると、それが楽しそうに見えたのか、
A子ちゃんは、
「Bちゃん、それ貸して」と言ったのです。

するとB子ちゃんは・・・>>>

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るとB子ちゃんは、唯一のおもちゃをニッコリ笑って、
「いいよ」と差し出しました。

そのB子ちゃんのさわやかなこと!

媚もせず、驕りもせず、ただ善意だけであふれていました。

きっとB子ちゃんの心は、何のひっかかりもない、
サラサラ流れる小川のようなんだ…と感じました。

二人のやりとりを見守りながら、
B子ちゃんのように素直な心になりたいな、と思いました。

保母の仕事は、
「子供たちに教えられる日々」でした。

あの時のB子ちゃんのきれいな笑顔はいつまでも忘れません。

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