田舎もん丸出しの父ちゃん、母ちゃん、そして僕

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でも思い出す。

10年くらい前の出来事・・・。

僕の家は、普通の人が想像も出来ないくらい田舎にあった。

僕はまだ中学生で、制服かジャージしか持ってなかった。

それで、来年から高校生になることだし、
家族で東京見物しながら、買い物しようってことになった。

正直、僕は初めての東京で、緊張していたけど、
両親は、もっとひどく緊張気味だった。

道が分からず、そこら辺の人に声をかけるけど、
びっくりするような大声で声をかけるから、逃げられるし。

駅の自動改札口では、思いっきり挟まれて、後ろに迷惑かけるし。

満員電車で、父ちゃんは、母ちゃんを守ろうと、

片手に吊革、片手に母ちゃんの手を握り、

結局、両手が死ぬほど広がって、大きな悲鳴をあげるし。

今考えると、田舎もん丸出しだった。

一番まいったのは、お小遣いで5,000円もらい、
入ったお店で、ベルトと帽子だけ買って出たことだ。

正確には、ベルトと帽子しか買えなかったんだ。

どれも目が飛び出るほど高くって。

そんなこんなで、東京からの帰り道、

夕闇を走り抜ける列車に揺られながら、

父ちゃんが、こうつぶやいた>>>

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まなかったな、おい、
 俺が何にも知らんから、
 お前たちにまで、恥かかせちまって」

すると、すかさず母ちゃんが言った。

「楽しかったですよ。
 家族一緒なら、どこへ行っても楽しいんですよ。
 あなたの方こそ、慣れない所に来て、大変だったでしょう。
 ゆっくり休んで下さい」

父ちゃんは、「あぁ・・・」

とだけ言って、目をつぶった。

その時、

父ちゃんの目から涙がこぼれているのを、僕は見たんだ。

あれから10年・・・

父ちゃん…。父は、去年亡くなった。

そんなことに涙を流せる父が好きだった。

不器用だけど、
家族を本当に愛してくれた父のことを、

ふと思い出した。

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