ある日の外出中のこと、私はうっかり落としたハンカチを拾おうとした瞬間、
腰に激痛を覚えました。
しばらく休んで様子を見ましたが、痛みはますます激しくなり、
タクシーで自宅に戻ることにしました。
そのタクシーは個人タクシーで、運転手さんは60歳くらいの方でした。
私が事情を説明した時の運転手さんの言葉は今も忘れません。
「少しスピードを上げて早く家に帰りますか、それともゆっくり走りますか?」
なんと優しい心配りでしょうか。
私は腰に痛みが伝わらないよう、ゆっくり走ってもらうことにしました。
しばらくして国道に入りました。
車の往来が激しく、私の乗ったタクシーを他の車がドンドン追い越して行きます。
そのうち、追い越しをしきれない後続の車が増えてきました。
イライラが募り、とうとう盛んにクラクションを鳴らし始めました。
しばらくして運転手さんが車を止めました。
大きい文具店の前でした。
文具店に入った運転手さんは三分ほどで戻ってきました。
その後の走行は、運転手さんの機転で、何とか後続の車からあおられず、
無事に帰路に着くことができました。
その運転手さんの行動とは>>>
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文具店から戻ってきた運転手さんは、
車の後ろに何か紙を貼りつけました。
聞いてみると、
『「患者さん搬送中」と書いてあるんですよ。
こうすれば、後ろを走ってる車もわかってくれるでしょう』
という優しい言葉が返ってきました。
やっと自宅付近に到着しました。
しかし自宅は、商店街の中にあり、車が何台も駐車していて
我が家をふさいでおり、自宅の真ん前には止まれません。
玄関まで30メートルほどの距離でしたが、
運転手さんは私を支えるようにしてついてきてくれました。
「私も三十年来の”腰痛メイト”です。どうかお大事に」
と言った運転手さんの別れ際の言葉は今も耳に残っています。