2007年に警察犬として働き始めたジャッジは、
所属する部署でそのひときわ優秀な働きに一目置かれていました。
2013年に歯を傷めたため、惜しまれつつ引退、
その後は普通の犬として、
温かい家庭で穏やかな日々を送っていました。
しかし、翌年6月にジャッジの身体に異変が起こりました。
嘔吐、脱毛、そして浮腫を発症。
すぐに病院で運ばれましたが、
獣医はジャッジの身体に複数の大きな腫瘍を発見。
もはや手遅れの状態でした。
ここまでであれば、元警察犬に対する同情や憐憫が
集まるというだけのお話だったかもしれません。
しかし、ジャッジの場合は違いました。
ジャッジの病気を知った警察官や地域の人々によって、
$13,000(約150万円)が寄付されました。
さらに病院は無料で治療を施すことを申し出ました。
それだけでも、いかにジャッジがこの街の治安を必死で守り、
多くの住民からの信頼と愛情を集めていたかが判ります。
しかし、既に病魔はジャッジの身体を蝕み、
食べることすらできなくなっていました。
長年同僚、そして家族として、
ジャッジと過ごしてきた警察官たちは、苦悩の末に
ジャッジの安楽死という難しい決断を下したのです。
現役時代のハンドラーであり、引退後は飼い主として、
ジャッジを引き取ったマイク・フランクスCpl.に導かれ、
病院に入ったジャッジ。
病院敷地に入ったフランクスCpl.とジャッジ。
そこには目の前に驚くべき光景が待っていました>>>
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病院入り口には、多くの元同僚である警察官たちが整列していたのです。
それも少ない人数ではありません。
およそ署内のほとんどの仲間たちが整列し、
最敬礼をしてジャッジを迎えています。
「自力で歩けるのか?」と聞く同僚に、フランクスCpl.は
「大丈夫だよな?」とジャッジに微笑みかけました。
最後の力を振り絞って歩くジャッジを、
病院の職員たちも整列して迎えました。
一人の獣医師は嗚咽を抑えられず、
病院内は悲しみに包まれました。
ウエストデットフォードの治安を守り続けた
誇り高い元警察犬ジャッジは、
フランクスCpl.と、その他多くの元同僚たちに見守られ、
永い眠りについたのです。
全てが終わった後、フランクスCpl.は
獣医師たちに感謝の言葉を述べました。
ハンドラー、そして飼い主である彼にとっては、
ジャッジの苦しみは、自身の苦しみでもあったのでしょう。
ウエストデットフォードの警察署は、
Facebookにてジャッジへの言葉を捧げています。
『ジャッジは我が署の偉大なる財産であり、
永遠に惜しまれるであろう存在です。
ジャッジよ安らかに。我々は君を忘れない!』
その忠誠心と賢さで人間に愛される犬たち。
中でも警察犬たちは、小さな頃から厳しい訓練を乗り越え、
時には危険と隣り合わせになりながら、
働く犬として人間社会の治安を守り続けてくれています。
痛ましい捨て犬のニュースが相次ぐ中、
動物とはいえ、その業績を称え、
英雄としてジャッジを見送った
ウエストデットフォードの警察署の人々。
その姿に人間と犬との温かい関係と希望を
見出すことができます。
苦しみから解放され、安らかな眠りについたジャッジ、
そして私たち人間のために働くすべての犬たちに、
感謝の気持を忘れずにいたいものです。