人生で最も大切なことを娘に教わりました

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011年に63歳でお亡くなりになった作家の小林正観さん。

小林さんは、全国あらゆる所で講演活動を行い、
次のようなことを説いて回りました。

人間の生きる目的は、頑張ることでも、努力することでも、
何かを成し遂げることでもなく、
「喜ばれる存在になる」こと。つまり「頼まれごとをする」ことです。

その小林さんが、娘さんのことを記した一文があるので、
ご紹介したいと思います。


私には、知的障がいを抱えた長女がいます。

彼女は、普通の子供よりも筋力が足りないため、
速く走ることができません。

運動会の徒競走では、いつも「ビリ」です。

彼女が小学校6年生のとき、運動会の前に
足を捻挫してしまった友だちがいました。

長女はこの友だちと一緒に走ることになっていたため、
私の妻はこう思ったそうです。

「友だちには悪いけれど、初めて、ビリじゃないかもしれない…」

運動会を終え、妻はニコニコしながら帰って来ました。

私は「ビリじゃなかったんだ」と思ったのですが、
「今回も、やっぱりビリだった」というのです。

今回もビリだったのに、どうして妻は、
いつも以上にニコニコ嬉しそうにしていたのでしょうか>>>

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競走が始まると、長女は、
足を捻挫した友だちのことを何度も振り返り、
気にかけながら走ったそうです。

自分のこと以上に、友だちが無事にゴールできるか、
心配だったのでしょう。

友だちは足をかばうあまり、転んでしまいました。

すると長女は走るのをやめ、友だちのもとに駆け寄り、
手を引き、起き上がらせ、二人で一緒に走ったそうです。

二人の姿を見て、生徒も、父兄も、先生も、
大きな声援を送りました。

そして、ゴールの前まで来た時、
娘はその子の背中をポンと押して、
その子を先にゴールさせた・・・というのです。

この話を聞いた時、私は気がつきました。

人生の目的は、競い合ったり、比べ合ったり、争ったりすることでも、
頑張ったり努力をしたりして「1位になる」ことでもない。

人生の目的は「喜ばれる存在になること」である。

私はそのことを長女から教わりました。

そして長女は、そのことを教えるために、
私たち夫婦の子どもになったのだと思います。

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