その学校では、いつも放課後に「帰りの会」という、
その日にあった出来事を発表したりする場を設けています。
そこで今日あった楽しいことや、悲しいことなど、
意見を言いたい子どもが皆に報告し、その場で話し合います。
いつもと変わりのない帰りの会でした。
そこで、一人の女の子が手を挙げて、
皆の前で発表したいと言い出しました。
「今日もありがとうございました。
私は、今日少し嫌なことがありました。
○○くんとウサギ小屋の当番で、
お昼休みに小屋の掃除をしていたら、
○○くんが掃除をせずに、違う友達と
サッカーをして遊んでいました。
『ちゃんとやってよ』
そう○○くんに注意すると、ボールを顔に投げられて
鼻血が出ました。
嫌だし、辛いし悲しいけど、私にボールを投げたことは
もう怒っていません。
一緒にウサギ小屋の当番をやるはずなのに、
○○くんがやらなければ、ウサギさんが可哀想です。
二人でやれば、もっとウサギさんのお部屋をキレイにしてあげられたのに、
私一人でやっていたのでは限界があります。
○○くんだけではなく、みんなもウサギさんのことを考えて、
ちゃんと当番の人は責任を持ってやって下さい。
よろしくお願いします」
この報告で名指しされた○○くんは、彼女の報告に対して、
不満そうな顔をしていました。
これには先生も怒りました。
「今の報告は本当か?」
「何でウサギ小屋の当番をサボったんだ。
皆で決めた役割を放棄した上に、
ボールを投げつけるとはどういうことだ?」
先生が怒ったのがよっぽど怖かったのか、
この男子生徒は、
「ごめんなさい」と謝ったそうです。
しかし、翌日この出来事が大きな問題へと発展してしまいます。
朝の職員室。
女性が怒鳴る声が響き渡ります。
「うちの子に体罰をしたんですって?!
体罰ではない、とおっしゃるんですか?
大きな声で怒鳴ったら、子供が怖がることくらい分からないの?
こういうのを体罰と言うんです。
うちの子に謝罪してください」
それは昨日ウサギ小屋の当番をサボって、
先生に怒られた男子生徒の母親。
学年主任、教頭先生、校長先生を交えての大騒動になりました。
さらに事実確認を行うために、
昨日「帰りの会」でこの事実を報告した女子生徒も
その場へと呼びだされたそうです。
「うちの息子がウサギ小屋の当番をサボったくらいで、
なんで怒鳴られるの?
体罰に値する事件ですよ。
この学校は体罰が常習化しているんじゃないですか?
うちの子への謝罪を求めます」
こう強く求める母親に、先生はどうすればいいのか分からず、
返答に困っていました。
すると、事実確認で呼ばれていた女子生徒が、
この母親に向かって、ある質問を投げかけました>>>
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女子生徒の質問です。
「○○くんのお母さんも、私と同じ女の子でしょ?
男の子に叩かれたり、物を投げつけられたりしたら嫌じゃないの?
悲しい気持にならないの?
じゃあ、悪いことをした○○くんを怒った先生が悪くて、
謝らなきゃいけなくて、
ボールを投げつけてきて謝らなかった○○くんは、
謝らなくていいの?
それを注意したり、ダメだって教えてくれた先生に怒る
○○くんのお母さんは、変だと思います」
その言葉は、その場にいたおとなが、口をはさむ余地のないほど、
当を得た言葉になりました。
その後、このモンスター的母親が、理不尽な謝罪要求をすることもなく、
すごすごと職員室を後にする姿が見届けられました。
先生たちが常に毅然とした態度で、
モンスター的親御さんに相対するのは難しい環境かもしれません。
色んな業務が山積している中、親御さんの教育まで出来っこない、
何とか穏便に事を済ませたいというのが、現場の本音かもしれません。
しかし、それでもなおかつ理不尽な要求に屈する姿勢には、
もっと手厳しい子供たちの視線があります。
教育現場の主人公である子供たちのためにも、
間違いは間違いとして、毅然たる態度でただす大人の姿、
先生の姿こそが、何よりの「教育」であろうと思うのですがね。