あんたは私の娘やないか!@大阪のおばちゃん

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の母は、大阪で一番口うるさいんじゃないか、
というくらい強烈なおばちゃんです。

こと口ゲンカとなったら、まさしくこのあたりでは、
相手になる人がいないくらい、横綱クラスの実力者です。

ひとつ言えば、十くらい返ってくるので、
今では、ケンカ相手も恐れをなして、いつの間にか逃げだします。

ちょっと鬱陶しくもありますが、
家族や友人とかには人一倍情に厚く、面倒見もいいことから、
何となく母の周りには人が集まってくるのです。

そんな母に反抗する気持もあり、
高校生の頃、私は少し悪ぶった時期がありました。

髪を勝手に茶髪に染めた時には、
エライ剣幕でお目玉をくらいました。

でもその時は、後になって、
その叱られ方に胸がすくような思いになったのでした。

「何だよ、その髪は?あんたぁ、どこの子だ?」

「うっせーなぁ。ウチがどうしようとウチの勝手やないか」

「何だと?誰に向かってエラそうな口きいてんねん。
 あんたは、私の娘やないか!?」

私は、母に強く言い返しました。

「誰も産んでくれなんて、頼んでねーよ!」

母の目の中に稲妻が走りました。

その後に続く母の早口の言葉が忘れられません>>>

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も産んでくれなんて、頼んでねーよ!」
と言う私の口答えに対し、母は早口でこう言ったのです。

「当たり前じゃ!妊娠中もしんどいし産むのも苦しい。
 産んでからも大変なのに誰かに頼まれたくらいでやるか!
 私が、私の意志で、あんたに無事産まれて欲しかったんじゃ!

 この手に抱いて苦労して育てたかったんじゃ!
 だからあたしは死んでもあんたの母親だ!
 その役目は誰にも渡さん!
 だからあんたが道を踏み外しそうなら、
 全力で口出しするわ。ボケ!」

私はただあっけにとられたように呆然となりました。

翌日には、自主的に髪を元に戻しました。

その時は、ただ迫力に圧倒されて黙るしかなかったけど、
今、その言葉のひとつひとつがストンとお腹に納まってきます。

今、私は初めての妊娠中。

不安や弱気になることもありますが、
その時の母の言葉が自分を奮い立たせてくれます。

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