キレイな若い男たちと汚いおっちゃん

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宿駅から西新宿の方へ歩いていく途中、
そこを通る人であれば誰もが知っている光景があります。

それはホームレスの集団。

日中はパッと姿を消すのですが、
夜になるとまたぞろぞろと寝床の確保に現れる彼たち。

他にも、新宿特有の光景と言えば、
歌舞伎町が近いことから、
ホストやキャバ嬢と言われる若者が
溢れかえっていることでしょうか。

西新宿は、都内でも有数のオフィスビルが立ち並び、
ビジネスマンがとても多い場所でもあります。

その反面、少し歩くだけで景色は
一変することも特徴だと言えます。

ビジネス街という表の顔を持つと同時に、
とてもダークな部分も垣間見える不思議で
変に活気のある街なのです。

そんなあらゆるものが混在同居する街、新宿。

私は務めている会社が西新宿ではあるものの、
新宿駅近くの方にあるので、
いつも新宿駅から歩いて出勤していました。

その帰り道、新宿の街ならではのような
出来事に遭遇したのです。

その日は体調がすぐれず、
朝から目まいがしていたので、会社を早退することに。

いつもの帰社時間よりも数時間早かったので、
その時間帯の新宿の街並みを見るのも新鮮な気がして、
トコトコ歩いていました。

新宿駅付近にある病院へ寄ってから帰ろうと思い、
駅の反対方向を目指して歩いていた時です。

私の歩く少し前方に、明らかにホストらしき
若い男性が5名ほど並んで歩いてました。

その後を歩いていた私は、
彼たちからほんのり香ってくるお酒と香水のにおいで、
気分がさらに悪くなっていくような気が・・・

恐らく、店で飲んでいて、今から帰るのでしょう。

もう既に陽は真上にある時間帯。

若いってすごいなぁ。

この程度のことを心で思いながら
彼たちの後を追うように歩いていました。

追い越そうにも、歩道いっぱいに、
男性5名が並んで歩いていれば抜けません。

急いでいるわけではなかったので、
特段、気にはなりませんでしたが。

そしてどんどん新宿の駅へ近づいた時、
彼たちの目の前にホームレスが数名、
反対方向から歩いてきたのです。

するとどうでしょう。

先ほどまで道いっぱいに広がっていたホストが、
ささっと縦一列になって、道をあけたではないですか。

へー、道を譲るなんて、いいとこあるじゃん!

こう感心した私。

ですが、
真意は全く真逆だったようです。

うわっ!クッセー!

マジで気持ち悪い!

吐きそう!

近寄んな、ホームレス!!

なんとすれ違いざまに、
このホームレスのおじさんに向かって、
嫌味と罵声を浴びせたのです。

そんな言い方しなくてもいいのに・・・

ひどいことを言うなぁ。

・・・と、次の瞬間でした。

恐らく、私のすぐ後ろを歩いていた男性が、
彼らホストの元へと急ぎ足で駆け寄ります>>>

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ストの元に駆け寄ったその男性は、
坊主頭にTシャツ姿。

小麦色に焼けた腕からは、
とても目立つ入れ墨が見えていました。

何より、プロレスラーのように体格のいい、
ちょっと怖そうな方でしたね。

そして何をするのかと思いきや、
この入れ墨の男性はおもむろに、
背後から一人のホストの首をつかんで、
怒鳴り声を上げたのです。

おい、ガキども。
今何て言った?
すれ違いざまに、あのおっちゃんに酷いことを言わなかったか?
お前らの親と同じ年配じゃないか。
おっちゃんに謝れ!

それにな、ホームレスのおっちゃんからしたら、
お前らの女々しい香水のにおいや、
吐き気のする酒の臭いのが、よほどクセーんだよ!

こう怒鳴りつけ、ホストたちを縮みあがらせたのです。

最初はケンカ腰で振り向き、
入れ墨男性に虚勢を張っていたホストたちですが、
体格などを見て、絶対にかなわないと観念したのか、
すみませんと謝っていました。

もちろん、この入れ墨男性は、
自分に謝ってほしかったのではなかったようで、
こう続けます。

バカかお前たち。
俺に謝ってどうするか。
おっちゃんに謝れと言ってるんだ。

ホストたちは、各々頭を下げ、
謝罪を述べながら、すごすごと退散しました。

平気で人をバカにしたり、見下したり、
罵る行為は決して許されることではありません。

その人には、その人の事情があるわけで、
見た目の外観だけで、人を決めつけてはいけないと思います。

人を見た目だけで判断してはいけない、という意味では、
ホームレスのおじさんに対してもそうですが、
入れ墨の男性に対してもそうだったんだと、
実感した出来事でした。

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