東日本大震災・ビートたけしが語った言葉

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日本大震災から10年が経過しました。

震災直後、ビートたけしさんはこうコメントしました。

何よりまず、今回の震災で被災された方々には、
心よりお見舞い申し上げます。

こんな大惨事になるとは思ってもみなかった。

オイラ、普段は大きな地震でも、
平気な顔をして座ってるタイプなんだよ。

だけど今回は、スタジオの窓から見える
ゴミ焼却炉のデカい煙突がグラグラしてさ。

たまらず逃げたね。

地震発生から間もない14日の月曜日に収録があって、
スタジオに客まで入れたんだけど、
直前に取り止めたんだ。

こんな時に着ぐるみ着て、バカやれないよってさ。

よく「被災地にも笑いを」
なんて言うヤツがいるけれど、
今まさに苦しみの渦中にある人を、
笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。

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っかりメシが食えて、安らかに眠る場所があって、
人間は初めて心から笑えるんだ。

悲しいけど、目の前に死がチラついている時には、
芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。

テレビや新聞でも、見出しになるのは
死者と行方不明者の数ばっかりだ。

8万人以上が死んだ中国の
四川大地震と比べたらマシだったのか、
そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。

それは死者への冒涜だよ。

そうじゃなくて、そこには
「1人が死んだ事件が2万件あった」
ってことなんだよ。

2万通りの死に、それぞれ身を引き裂かれる思いを
感じている人たちがいて、
その悲しみに今も耐えているんだから。

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