【小さなジェントルマン】空の上で本当にあった心温まる物語

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ばあさんと、学生服を着たお孫さんと思われる
男の子の二人連れが搭乗なさいました。

機内に乗り込む時も、通路を歩く時も、
常に男の子がおばあさんの手を引いています。

ゆっくりゆっくりおばあさんが歩くペースに合わせて、
男の子も一歩ずつ踏みしめるように歩いていきます。

幸い、出入口のほど近いところがお二人のお席だったようで、
ほっとした様子で座席に座られました。

「何かお手伝いでも」と思いかたわらに寄ると、
既におばあさんは座席ベルトを締めており、安心した様子で、
「ありがとうね。ありがとうね。もう大丈夫ですよ」
と、男の子に声をかけていました。

一方の男の子は、
まだ自分の荷物の片付けも、ベルトも締めていません。

そうこうするうちに、最後のお客様がお乗りになって、ドアが閉まりました。

すると、男の子が手を挙げました。

「お呼びでございますか?」と伺うと、
「この席空いていますか」と尋ねられます。

「はい。空いております。お席が離れてしまったのですね。
 それは大変失礼いたしました。大丈夫ですので、
 どうぞお使いください」と、お答えしたところ、
男の子はようやく安心して、手荷物を前の座席の下に押し込み、
ベルトをしてくださいました。

「大丈夫ですよ。気にしないでください」
と、おばあさんが、かなり遠慮がちに
男の子に声をかけていらしたのがちょっと気になりましたが、
楽しそうにお話をされていたので、私も業務に戻りました。

飲み物サービスでお二方のお席に伺った際、
「やさしいお孫さんですね」
と声をかけました。

すると、意外な答えが返ってきました>>>

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えいえ、孫ではないんですよ。
 さっき、待合室でお会いしたばかりなのですが、
 本当に親切にしてくださって・・・・・」

聞くと、おばあさんが一人だったので、声をかけたとのこと。

まだあどけなさが残る
(高校生になりたてぐらいとお見受けしました)男の子が、
こんなことをするなんて・・・・・と、とても驚きました。

お飲み物を伺うと、即座におばさんの前のテーブルを出し、
「お先にどうぞ」と一貫してレディファーストを行う紳士然たる態度。

飛行中もさりげなく気を配っている姿をたびたび見かけました。

降りられる際も、搭乗する時と同じように、
上手にエスコートしていました。

空港には、おばあさんの娘さんが迎えにいらっしゃるとのことでしたが、
きっとその娘さんにお会いするまで、おばあさんの手を放さないでしょう。

おばあさんのために一生懸命だった小さなジェントルマンの姿は、
今もはっきりと目に焼きついています。

出典元:「空の上で本当にあった心温まる物語」著:三枝理枝子

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