結婚式・頑ななお父さんの心を溶かしたもの

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学の先輩の結婚式に出席した時のエピソードです。

先輩は、某中堅不動産会社の創業者の孫で、
将来を約束された御曹司です。

そんな先輩が結婚相手に選んだのは、
『年上・バツイチ・子持ち』

…初婚の先輩にとって、世間一般的には、
あまり良い印象を持たれない女性でした。

大事に育てられた先輩は、お父さんからの大反対にあい、

それでも、それを押し切って結婚式を挙げることになりました。

披露宴当日。

会場に行ってみると、
先輩のお父さんの姿はそこになく、

親族席がひとつ空席のまま、
披露宴は進行していきました。

ところが披露宴終了の30分前ぐらいになって、
険悪な顔つきをしたお父さんが会場に現れたのです。

お父さんが反対していることは
みんな知っていたため、
会場内に緊迫した空気が流れるとともに、

少しだけ”やっと来てくれた”という
安堵も生まれたように感じました。

しかし、お父さんは席についても
おめでたい席には似つかわしくない
憮然とした表情のまま。

新郎新婦の方から目を背けたままで、
新郎の顔にも緊張感がにじんでいました。

そして、ラストの両親への花束贈呈。

かなり抵抗していたお父さんは、
お母さんに説得され、嫌々ながらも
前へ出て並びました。

花束を持った新郎新婦を見ようともしないお父さん。

その頑なな態度に、会場内の誰もが心の中で
ブーイングをしていた、そんな時です。

思いがけないことが起こりました>>>

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4歳になる新婦の連れ子のお嬢さんが、

贈答用ではない小さなブーケを、

新郎のお父さんに差し出して、

大きな声で言ったのです。

「よろしくね!」

その瞬間、お父さんはハンカチを出し、

顔を手で覆ってあふれる涙をぬぐったのです。

お父さんは、先輩の肩を抱き、

「すまなかった」と繰り返しました。

そして、今まで見たこともないような優しい表情で、
新婦の方を見やって、

「息子をよろしくお願いします」と、
深々と頭を下げたのです。

子供の無邪気なひと言が起こした結婚式の奇跡。

「この家族がずっとずっと幸せでありますように」

誰もがそう心から願った瞬間でした。

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