このお話はコンサルタントの福島正伸さんが、
講演会で紹介された闘病中の少女の短い物語です。
女の子は進行性の病気で入院していました。
頭や体のあちこちに器具が取り付けられていました。
大きな手術が必要で、うまくいかなければ、
命を落とすことも・・・。
お母さんは、そんな彼女を見ると悲しくて仕方ありません。
「どうしてうちの娘がこんな姿に……」
毎日、涙に明け暮れ、悲嘆に胸を痛めていました。
このままではお母さんまで、病気で倒れそうな様子でした。
女の子は、大好きなお母さんを元気づけたくて、
お見舞いにくるお母さんをいつも笑顔で迎えていました。
ベッドで横になり、痛みが体を苛むときも、
薬で頭がぼんやり状態にあるときも、
女の子は、お母さんの顔を見ると、とびきりの笑顔で迎えました。
女の子は絵本を読むのが大好きで、
自分でもよくお話しを作っていました。
そして、お母さんのために、
「強い子」というお話をつくりました。
そのお話がなぜ、その女の子の頭の中から創作されたのか、
お母さんは、すごく不思議な気持ちになりました。
どうしても、そのお話しが作り話には思えず、
そして、少しずつ少しずつ、
心の中に勇気が湧いてくるのを感じました。
女の子の作ったお話
「強い子」をどうぞ>>>
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それは彼女が生まれる前のお話です。
ある日、神様に呼ばれて行くと、
たくさんの生まれる前の魂たちが並んで、
一人ずつプレゼントをもらっています。「あの町に生まれたい」
「お金持ちの家に生まれたい」
神様はどんなことでも叶えてくれるのです。
女の子の順番がやってきました。
何が欲しいか決まってませんでした。
ふと見ると、神様の後ろに、
「重い病気」と書かれたプレゼントがあります。「これは誰がもらえるの?」
「一番、強い子だよ。
このプレゼントをもらった子は、
生まれてからすごく苦しいんだ。だから一番強い子にしかあげられないんだよ」
女の子は思いました。
他の子が、このプレゼントをもらったら、
その子に会ったとき、つらいだろうな・・・そして神様に言いました。
「このプレゼント、私にください。
私が一番強い子よ」「他の子にはあげないで。
他の子が苦しむのは嫌だから。
私が一番強い子だから、
私にちょうだい」神様が答えて言いました。
「君が来るのを待っていたんだ。
君が一番強い子なんだね」ねぇママ。
そうやって、神様にお願いして、
私は生まれてきたんだよ。
お母さんは涙を流しながらも、
笑顔で女の子を抱きしめていました。
そして、お母さんは思いました。
強くなろう。
もう二度とこの子の前でメソメソするのはやめよう、と。