俺がまだ中二の頃の夏休み、友達4人で釣りに行った帰り、
突然大雨が降り出した。
俺達4人は周辺の木で雨宿りをしようと、
近くの大木に駆け寄ったんだ。
すると、突然、雷が俺達の木に落ちたんだ。
一瞬の出来事に俺はしばらく何が起こったか理解出来なかった。
だが、俺はすぐにある異変に気付いた。
【友達が居ない】
それと、もう一つ祭の出店でよく出ている金魚すくいが、
俺の目の前に現れた。
『金魚すくいをやっていかないかい』
屋台にいる親父が俺に話し掛けてきた。
俺はここが、現世(?)では無いほかの空間であることを感じとった。
「いくらですか」
自分でも何故こんな質問したのか分からない。
『一回やる毎に、君の寿命一年分を頂こうかな』
まぁ、ありがちなパターンだ。
俺は屋台の方に歩いていき、水槽の中を覗いてみた。
すると、そこには、友だち3人の顔をした金魚が力無く泳いでいた・・・・
『友達を助けたいんだよね』
俺はこの世界での役割を悟った。
「網を・・・・下さい」
『はい、一年分ね』
自慢では無いが、俺は結構器用で、
こういう神経を使う作業は得意な方だ。
『さぁ、この網が君の最後の網(寿命)だ』
これで、決めなければ!!コイツだけは文字通り
【命に代えて】でも、救ってみせる!!
すると、明らかに今までとは違い、簡単に救うことができた。
「やったッ・・・・」
俺はそこで、意識を失った>>>
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「おい、起きろ!」
「死なないでくれぇ!」
「今、近くの家の人を呼んできたよ」
「ん・・・・お、お前ら、生きてたのか!!」
「まぁ、俺達も皆30分位前に目を覚ましたんだが、
お前だけ中々起きなくて・・・・」
嬉しい、涙が溢れ出す。
「あぁ・・・・そうかぁ、
お前らが生きてて良かった、本当に良かった」
でも、何で俺も生きてるんだろう…。
寿命は全部使いきったはずだけど。
まぁ、夢…だったんだろうか。
現実と夢の境目、というか生と死の境目で見た幻想なのか。
非常時に脳のいたずらが見せる幻だったのかもしれない。
でも、今でも、鮮明に覚えてるな・・・・あの親父と屋台を。
そして、どこか遠くから聞こえてきた親父の包み込むような声を。
『君はよく頑張ったね、金魚を一匹おまけしよう』
2ちゃんねる掲示板より