何年か前にテレビで観てたんだけど、
小さな町工場で砲丸投げの鉄球を作ってるおっさんがいた。
鉄を丸く削り出すだけの作業なんだけど
そのおっさんが鉄を削り出すと、
重心がど真ん中に寄って完全な球になるらしいんだ。
素人は単純に見えるけど、
この技術、世界の誰も真似できないらしいんだ。
そのおっさんが、外国に
「年収1億出すから来てくれ」
ってヘッドハンティングされた。
俺なら二つ返事で引き受ける。
おっさんはどうしたか?
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そのおっさんは、自分の技術が認められた嬉しさと、
大きな年俸の魅力でちょっとグラっときたそうだ。
だけど、砲丸投げの世界で使われているその鉄球。
出来た製品を買ってもらうのは構わないが、
自分の技術まで売り渡すのはどうか、とおっさんは考えた。
スポーツ選手にとっての道具は魂の一部だ。
自分の技術も魂そのものだ。
自分は、お金のために自国の選手たちを見捨てて、
自分の魂を他国に売り渡すのか?
そう自問自答した。
そうして結論付けた。
『自分が育ったこの国を裏切るわけにはいかない』
っていう気持ちでその話を断ったそうだ。
すげーかっこいいおっさんだった。
職人が日本を支えている。
2ちゃんねる 掲示板より