阪神大震災で携帯電話も使えない状況の中、
被災者と家族や友人を結んだのが、
避難所にある掲示板でした。
そして、自分の所在を伝える張り紙の中で、
特に目立っていたのが、赤い枠で縁どられたもの。
これにはA3判とはがき大があり、
上部に「私はここに居ます」「We are here」と印刷されていて、
西宮や芦屋、神戸の市役所や避難所に置かれていました。
しかし、これは国や市が手配したものではなく、
いつの間にか市役所の玄関などに置かれていたのです。
誰が届けたのかわからず、
海外レスキューが手配したのではという噂もありました。
そして震災から13年後の2008年、
この張り紙の贈り主が判明しました>>>
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これは大手広告代理店、
博報堂の関西支社が届けたものだったのです。
震災直後、当時の支店長代理とプロモーション局長が、
会社が社員の安否確認に追われている中、
会社として社会に何が出来るかということを、
二人で考えていました。
そして、小さなメモ用紙やノートの切れ端に書かれた伝言を見て、
もっと人に見てもらえる伝言用紙を作ろうと思いついたのです。
この広告マンならではのアイデアは、
すぐに実行されました。
約60万枚の用紙はトラックに積まれ、
被災した地域の市役所や避難所に置かれていきます。
それは、震災からわずか5日後のことでした。
用紙を手配したのが誰なのか分からなかった理由。
それは、彼らがこの出来事を会社の宣伝に
利用したくないと思っていたからだそうです。