8歳の娘が妻の代わりを果たしてくれました

b148
う10年も前の話。

妻が他界して1年が経った頃、
当時8歳の娘と3歳の息子がいた。

妻が居なくなったことをまだ理解できないでいる
息子に対して、私はどう接してやればいいのか、
父親としての不甲斐なさに悩まされていた。

実際私も、妻の面影を追う毎日であった。

寂しさが家中を包み込んでいるようだった。

そんな時、私は仕事の都合で家を空けることになり、
実家の母にしばらく来てもらうことになった。

出張中、何度も自宅へ電話をかけ、
子供たちの声を聞いた。

二人を安心させるつもりだったが、
心安らぐのは私の方だった気がする。

そんな矢先、息子の通っている
幼稚園の運動会があった。

”ママとおどろう”だったか、
そんなタイトルのプログラムがあり、
園児と母親が手をつなぎ、輪になって
お遊戯をするような内容だった。

こんな時にそんなプログラムを組むなんて……

私は暗澹たる思いで、早く時間が過ぎるのを祈った。

その時だった。

「まぁ、行くよ♪」

息子も笑顔で娘の手を取り、
二人は楽しそうに走って行った。

一瞬、私は訳が分からずに呆然としていた。

隣りに座っていた母がこう言った>>>

スポンサーリンク

↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓

なたがこの間、九州へ出張に出かけていた時に、
正樹はいつものように泣いて、
お姉ちゃんを困らせていたのね。

そうしたら、お姉ちゃんは正樹に、こんなことを言ってたのよ。

「ママはもういなくなっちゃったけど、
 お姉ちゃんがいるでしょ?」

「本当はパパだってとってもさみしいの」

「だけど、パパは泣いたりしないでしょ?」

「それはね、パパが男の子だからなんだよ。
 まぁも男の子だよね」
「だからだいじょうぶだよね」

「お姉ちゃんが、パパとまぁのママになるから」

何ということだ。

娘が私の代わりにこの家を守ろうとしている。

場所もわきまえず、
流れてくる涙をこらえることが出来なかった。

10年経った今、無性にあの頃のことを思い出し、
また涙がこみ上げてくる。

来年から上京する娘、
お父さんは君に何かしてあげられたかい?

君に今、どうしても伝えたいことがある。

支えてくれてありがとう。
君は最高のママだったよ。

私にとっても、正樹にとっても。

ありがとう。

スポンサーリンク