これ、私が考えました。
みんな東尋坊なんか時々しか行かないから怖がるけど、
そこに家を建てて住んでみたら、それはもう普通の景色。
なんだったら、もう絶景になるんです。
現在も1億円以上の借金を抱える私たち夫婦は、
確かにいつも崖っぷちにいます。
でも、なにか困ったことが起こるたびに、
それをクリアして、そこで得た経験を武器に、
また次の困難に二人で立ち向かっていく感覚でいます。
そう考えると、人生ってロールプレイングゲームみたいです。
「借金があって大変なのに、いつも元気で
機嫌がいいですね」
とよく言われます。
いいのか悪いのか、確かにお仕事の場面だけでなく、
プライベートでもヘンにテンション高いところで
安定しちゃってますね。
私は、怒りの感情に疎いようで、
そもそも、人に対してイラッとすることがほとんどありません。
よく番組で、「イラッとした時を教えてください」
などと質問を受けるんですけど、思い浮かばなくて困ります。
それは母のおかげです。
三歳ぐらいの頃、
「さゆり、人は鏡なのよ」
と母が教えてくれました。
「誰かがあなたに怒った顔をした時は、
きっとさゆりが怒った顔をしてるんだよ。
相手に笑顔でいてもらいたいと思ったら、
まずはさゆり自身が笑顔でいることが大事なのよ」
その言葉がずっと心の奥底にあって、
私を助けてくれました。
だから、例えば意地悪みたいなことをされても、
「何かあってイライラしてはるんかな」
と相手の状況を想像して、「まあ、いいか」と。
そんな私もさすがにガツーンと落ち込んだ時がありました。
株で失敗して1億7千万円の借金を抱えていたかつみさんと
結婚した後のことです。
「自己破産だけはしない!」と、
励まし合って返済をしていたところに、
とんでもない知らせが入りました>>>
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かつみさんのお父さんが、
生前に連帯保証人になっていた会社が倒産。
その負債を息子であるかつみさんに支払うように
との督促状がきたのです。
その額、なんと10億円。
そのちょうど10日ほど前に、
かつみさんはコンビを組んでいた相方さんから
「解散したい」と言われたところでした。
どんな逆境にもめげない、最強の精神力をもったかつみさんも
さすがに青ざめていました。
私だって同じです。
ガーンとショックを受けて、
「どうしたらいいの?」
「これまで1億7千万円の返済を必死に
頑張ってきたのはなんだったの」と、
路頭に迷う心境でした。
でも、「今日はとにかく寝よう」と思ったんです。
あまりにも大きい問題で、いくら考えても
お金のプロでもない私に答えなど浮かびません。
もう流れに身を任せるしかない。
とにかく寝ようと……。
そうしたら、やっぱり朝は来るんですね。
「命まで取られることはないんやから」と、
気持も切り替わっているんです。
すると不思議なことに、状況も動き始めました。
お義父さんの借金は放棄できることがわかったり、
中田カウス師匠が「夫婦でコンビ組んだらええ」
とアドバイスをくださったり。
「今の生活を手放したくない」という執着を手放して、
全てを受け入れる気持ちになった時、
本当の意味で自由になれたように思います。
思い詰めていない分、発想も前向きになるし、
余分な力が抜けて「何でも来い」「命さえあればいいわ」
という境地になるんですよ。
それからも、何度も窮地に立たされるような状況になりましたが、
いつもかつみさんと「よかったなあ、二人とも元気で」
という言葉にたどり着きます。
どんな壁が来ても、何でも受け入れて、
とにかく二人で楽しく元気でやっていく。
その気持ちを忘れず、これからもたくさんの「鏡」に
笑顔を映していきたいと思います。
出典元:PHP特集「感情の整理はうまい人、へたな人」(PHP出版)