創業者は思うところあって39歳で公務員を辞め、
和菓子店を始めました。
饅頭をつくり、観光バスの窓に向かって
売り歩くところから始めて、
苦労の末に会社を発展させました。
苦労の末に大きくした会社だから、
この社長さんは、商売において何が大切なのかを
腹の底から理解していました。
だから、何よりも社員には
「お客様に喜んでいただけるよう尽くしなさい」
と教えたそうです。
ある日、お菓子を買ったお客様が代金を払って、
時間を気にしながら急ぎ足で行きました。
ところが、肝心のお菓子を置き忘れていったのです。
気づいた女子店員は、
急いで後を追いましたがもう見あたりません。
その女子店員は、まだその店に就職して間もない人でした。
彼女はすぐにタクシーに乗って京都駅に向かいました。
店で交わしたやりとりから東京の人で、
何時の新幹線に乗るということを思い出したからです。
そこから先のこの女子店員の行動に驚かされます>>>
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その女子店員は、なんと発車寸前の新幹線に飛び乗ったのです。
入店間もない彼女の頭の中には、
「お客様に喜んでいただく」という社長の言葉が、
素直に浸透している。それだけでした。
彼女は、長い列車の中で懸命にお客様を捜し、
もうすぐ名古屋というところでやっと見つけました。
そのお客様は驚くやら感激するやらで、
何度もお辞儀をして礼をいい、
目頭を熱くしながら握手を求めて、
「君はこれからどうするの」と聞きました。
「お会いできて本当に嬉しかったです。
ちょうど名古屋ですので、京都に引き返します」
と言って彼女はホームに降り、
列車が見えなくなるまで手を振って見送ったのです。
このことを和菓子屋の社長が知ったのは、
彼女からの報告ではありませんでした。
そのお客様が感動して、ある雑誌に書いた記事を
和菓子店にも送ってくださったのです。
読んだ社長は、途中から涙で字が見えなくなりました。
創業者の“こころ”がそこにまだ生きていたからです。
頭で考えて行った親切は、
それほど深く人の心を感動させることはありません。
しかし、情に衝き動かされて我知らず取った行動は、
時として人の胸を強く打つようです。
そこには利害打算を忘れた“まごころ”があるからでしょうね。