このお話は十数年前のことです。
今ならば、車椅子の乗客に対する駅員さんたちのサポートが行き届いています。
でも、ほんの十数年前は、まだバリアフリーの考えそのものが未成熟で、公共交通機関でのサポートも不十分だったのです。
そんなころのお話しですので、今とは少し様子が違うかもしれません。
会社から帰る途中の電車に、
車椅子の男の子が一人で乗ってきました。
車内は割りと混んでいたので、
「ちゃんと降りられるかな?」
とは思ったけど、そのまま読書を続けてました。
電車が終着駅に着きました。
ホームと電車の間に、結構大きな段差があったので、
危ないなと思ったけど、嫌がられるかもしれないので、
手伝うことはせず、車椅子の後ろに立つだけにしました。
周りでは、中年のサラリーマンとОLが数人と、
メール打ってる茶髪のにーちゃんが居ましたが、
全員興味なさそうに、そっぽを向いています。
ちょっと苦労していましたが、
車椅子の男の子がホームに降りようとした時、
車椅子が大きく傾きました。
すぐに手が出せるように、
あらかじめ後ろにいた私は、
支えようとして車椅子に飛びつきました。
その時です。
思いがけないことが起こりました>>>
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周りにいた全員が、一斉に車椅子に飛びついたのです。
男の子もびっくりしていたけど、
私は中年のおじさんと頭をぶつけるし、
ОLさんは、ブランド物のバッグ踏まれてるし、
茶髪のにーちゃんは携帯落っことしてるし……。
知らん顔してて、皆同じことを考えてたんだと思います。
男の子がホームに降りた後、
みんなちょっと照れくさそうにして、
無言で改札口に向かいました。
改札口を出た後、何だか急に誰かに優しくしたくなって、
両親に電話を掛けてみました。
「別に用事ないんだけど暇だったからさ。元気?…」って。