本田選手のサッカー教室をご存じでしょうか?

b278
ッカー日本代表、本田圭佑選手。

オランダのチームに移籍した2008年から、
「夢を持つことの大切さやすばらしさ」を伝えるため、
現地の子供に向けたサッカー教室を企画しました。

2010年からは日本でも同様の教室を開いています。

サッカー教室「SOLTILO of HONDA」の
「SOLTILO」は本田選手自身が考えた造語で、
「SOL」はスペイン語で「太陽」を、
「ESTILO」はスタイルを意味しており、
「太陽のように光り輝く子供になってほしい」
という願いが込められています。

「子供は好きです。好きという以上に、
 使命感を感じてやっている。
 僕にしかできないくらいに思ってます」
と本田選手は語っています。

その「SOLTILOサッカースクール」に通う、
小学2年~6年生までの11人が、
ある年のイタリア・ベネチアで行われた
「ACミランキャンプ」に参加しました。

キャンプの最終日、ミラノのホテルで過ごす子どもたちのもとに、
本田選手がサプライズ訪問しました。

子供たちの歓声がドッと沸き上がりました。

11人の子どもたちを前に、本田選手はゆっくりと口を開きました。

「まず、このミランキャンプに参加させてくれた
 両親の気持ちを理解すること、
 そして感謝することを忘れてはいけない。

 その上で、この貴重な体験からたくさんのことを学び吸収して
 成長してほしいと思います。

 ここに来たことを無駄にしてはいけないし、
 ここで得たことを自分の成長に変えてほしい」

本田選手が初めて海外の地を踏んだのは小学4年生の時。

今回、参加している子どもたちと同年代の頃に
海外遠征でタイに行く機会を得たのです。

「親にはとても感謝をしたし、良い経験をさせてくれたことに対して、
 プロになって必ず恩返しをしようと思った」
と自身の経験から、まずは
“感謝の気持ち”を持つ大切さを子供たちに伝えました。

 
そして、子どもたちにこう問いかけました。

「サッカーは好きですか? 
 プロになりたい人はいますか?」

手を挙げた過半数の子どもたちを見渡すと、
本田選手は、やや厳しい言葉を投げかけました。

「一番伝えたいことは、プロになりたいのであれば
 人よりも多く練習しなければいけないということ。

 世界で活躍している選手たちはみんなたくさん練習をしています。
 練習せずに上手くなった選手はいません」

さらに子供たちに次のような質問をしました。

「チームなどの練習だけでなく、自分でボールを蹴っている時間を含めて、
 一週間に何日練習していますか?」

「3日か4日」と答える子どもたちに対して、
本田選手は、こう言いました。

「僕は週7日練習していました。
 練習しなかった日を覚えていません。
 夏休みに宿題をどれだけ出されても毎日練習していました。

 君たちは当時の僕に勝てますか?
 君たちと当時の僕はどっちがプロになれますか?」

「周りから『才能がある』とか『上手い』と言われている子たちは、
 才能があるのではなく、たくさん練習をしているはず。

 一度聞いてみてください。将来は誰もが競争する。

 サッカーの世界で競争する時に、
 週7日の練習と週1日の練習ではどっちが競争に勝てる?

 練習を増やすチャンスはみんなにあるし、
 自分自身がそれを決めることができるんです。

 もちろん、週に7日練習している選手は他にもたくさんいます。

 この世界に絶対はないので、絶対にプロになれるかは分からないけど、
 週7日練習すればプロになれる可能性は高くなります」

さらに本田選手は、
「ここにいる全員がプロになれるほど、サッカーの世界は甘くない」
とシビアな現実を突きつけました。

ハングリー精神を培ってほしいという願いを込めて発した
この一言が、子どもたちの心に火をつけたのは間違いありません。

こうも付け加えました。

「将来、サッカー選手を目指さなくても、
 必ずその世界には競争があります。
 全員が必ず、将来自分でお金を稼がなければ
 いけない時が訪れます。

 大人になってから頑張るのではなく、
 今から競争をして頑張ってほしい」

本田選手はもう一度、子どもたちに問いかけました。

「プロになりたい人はいますか? 
 自分の人生です。
 人に決められるのではないから自分で決めてください」

話に熱心に耳を傾けていた子どもたち全員の手が挙がりました。

プロになりたいという明確な意志を示した子どもたちに、
本田選手、今度は少し難しい問いかけをしました。

「では、1日に何時間練習していますか? 
 多くても2時間くらいかな。
 答えは間違っていないけど、考え方は間違っています

子供たちは、首を傾げました。

本田選手は問いかけの意味を、
こう説明しました>>>

スポンサーリンク

↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓

は24時間練習していました。どういうことかと言うと、
 ご飯を食べる時、寝る時、学校へ行って勉強する時も、
『何かサッカーに結びつかないかな?』
 と思いながら、全てがサッカーの練習のうちだと思って、
 勉強もしていたし、ご飯も食べていたし、睡眠も取っていました。

 睡眠も食事もトレーニングの一つ。

 勉強することも、先生から色んなことを教わるのも、
 サッカーでプロになるための練習の一つだと思っていました。
 これを合計すると、2時間の練習も含めて
 合計で24時間になるんです」

と、本田選手は丁寧に説明しました。

しかし、普段の生活が全てサッカーとリンクしている、
という発想に至る子どもは少ないでしょう。

もちろん大人であっても容易ではありません。

だからこそ本田選手は言います。
「何気なくご飯を食べてはいけない。
 何気なく寝ていてはいけない。
 何気なく友達と話していてはいけない。
 もっとサッカーが上手になるために、
 何が必要なのかを考えるんです」
と子どもたちの意識改革を促しました。

SOLTILOでは「自分で判断する、決断する」を理念のひとつに掲げています。

本田選手の言葉を受けて、実行するかしないかは
子どもたち自身が判断することです。

ただ、
「これを実行できればプロになれる可能性は格段と高くなるはず。
 現に、才能があったわけではない僕がプロになれたんだから」
と言い切る本田を見上げる、子どもたちの目は輝きを放っていました。

「出来たら僕の話をノートに書いてほしい。
 忘れないようにノートに書いて、今日から実践してください」
との呼びかけにも、子供たちは、力強くうなずきました。

スポンサーリンク