バスの中に、10歳ちょっとくらいの少年と、
30代くらいの美人なお姉さんがいた。
最初は、お母さんと息子かと思ったけど、
どうも違う様子だった。
子供が椅子の背もたれをにらみながら、
ボタボタ涙をこぼしている。
その背中をトントンたたきながら、
女性は少年に話しかけていた。
「大丈夫、大丈夫、お母さんは大丈夫」
って言い続けている。
あんまり低い声で真剣な顔で言ってて、
事情がありそうだったので、バスの中はシーンとしていた。
乗客の皆さん、聞くとはなしに、耳をそばだてている感じだった。
少年「俺、どうなんの?」
女性「お母さんは大丈夫」
少年「ダメかも、もうダメかも。
だって皆、ダメって言ってたし…」
女性「大丈夫」
少年「お母さん死ぬ?俺一人になる?」
女性「どうしようもなくなったら、
おばちゃんがお前ひとりくらい育て上げてやる。
だから、お母さんは大丈夫ってだけ考えときなさい」
少年「俺がいたら、よけい嫁に行けなくなるよ」
僕を含め、乗客はだいたいの様子がつかめた。
そこまでの空気は重かったが、次に発する女性の言葉で、
少年の気持が軽くなったようだ。
その場の空気も軽くなった>>>
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少年「俺がいたら、よけい嫁に行けなくなるよ」
女性「うっさい!いてもいなくても行けてないんだから、
いたって一緒です。
言ったでしょ。お母さんは大丈夫ってだけ考えときなさいって。
さぁ、…お母さんは?」
少年「……」
女性「お母さんは?」
少年「大丈夫…」
女性「うん」
二人がバスを降りるとき、総合病院だった。
運転手さんが言った。
「お母さんは大丈夫」
それを期に乗客からも声が上がった。
「大丈夫、大丈夫!」「絶対大丈夫!」
僕も言ったし。
お母さんがどうしたのか分からないけど、
大丈夫であってほしいと思った。