お母さん、県大会に連れて行くからね

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れは息子が小学六年生のときのことです。

息子は一年生のときから、
ミニバスケットをしていて、六年生のときには
キャプテンナンバーをもらうほどになっていました。

私には胃ガンという病気があり、
入退院を繰り返す日々で、
子ども達にはどんなに寂しい思いをさせたかと思います。

息子の最後の県大会を決める試合がありました。

私は最後だと思い、応援に行きました。

息子の小学校は、かなりバスケが強いらしく、
どんどん勝ち進んでいきました。

そして、とうとう決勝までいったのです。

その日の朝、息子は私に
「お母さん、ぜったいに応援に来てね。
 お母さんのこと、県大会に連れて行ってあげるから」
と言葉をかけてくれました。

決勝では、最初はよかったのですが、
相手チームに有利にゲームが進んで行きました。

残り3分の時点で10点の差がついており、
半分あきらめムードが漂っていました。

ところが、息子は有言実行の自慢の息子です。

残り3分から人が変わったようにどんどん点数を入れます。

残り3秒の時点で、1点差まで頑張ってくれました。

そして、まさにギリギリの残り3秒の時点で、
相手チームのキャプテンがファールして、
息子のフリースローになりました。

このフリースローが入れば、1点差で逆転勝ちです。

私は、胸の高まりを抑えつつ、
神にも祈る気持で見守っていました>>>

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子は、私を探し、アイコンタクトで、
まかせておけというポーズをしてくれました。

神様はいました。

息子のフリースローが入り、
県大会に行くことになりました。

フリースローが入った時、息子は私に向かって、
ガッツポーズまでしてくれました。

悔しがる相手チームには、申し訳けなかったのですが、
それは、病気がちな私に息子がくれた最高のプレゼントでした。

「お母さん、ぜったいにお母さんのこと、
 県大会に連れて行くからね」
と言ってくれた、その言葉どおりにしてくれた息子。

嬉しくて嬉しくて、涙が止まりませんでした。

参考本:人間っていいな!涙がこぼれるいい話
(コスモトゥーワン)勝利のガッツポーズのプレゼントより

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