そして2016年春、近畿大学の入学式で、喉頭がん治療のため、
声帯を切除し、声を失ったことを発表しました。
つんく♂さんと奥さんとは、とても仲の良い夫婦です。
近畿大学入学式の、無言のメッセージの時も
奥さんは家族連れで舞台の袖に立ち、彼のことを見守っていました。
つんく♂さんの病気を知った時の奥さんの行動には、
つんく♂さん自身が目を瞠るほど驚いたそうです。
こう語っています。
僕は先生任せにしようと考えていたんですが、
そこで妻にスイッチが入ったようです。
病気を受け止めきれなかった僕にかわって、
妻は猛然とがんについて勉強を始めたんです。妻は寝る間も惜しんで、本やインターネットで治療法や病院について調べ、入院中の僕のもとに、毎日たくさんの資料を抱えてやってきてくれました。
国内の治療法から海外のものまで、とにかくたくさん調べ上げ、
専門医の紹介を得るために、
知り合いやそのまた知り合いにまで電話をするなど、
ものすごいパワーとスピードでした。それまでは、行きたいレストランに電話するのも
躊躇するほど恥ずかしがり屋だったのに。納得できる治療方針を選べたのは、彼女のおかげだと思っています。
もともと仲の良いお二人でしたが、
つんく♂さんの発病は、さらに夫婦の絆を強めることになりました。
つんく♂さんは、苦労をかけた奥さんに、
何か気持を伝えたいと強く思いました。
手術からわずか5日後のことです。
つんく♂さんは、奥さんに楽しんでもらおうと、
ある人気バンドのライブに誘いました。
そのメンバーからは、口々に励まされ、
奥さんともども、ライブを楽しんで家路につきました。
しかし、ここでつんく♂さんと、
この人気バンドのメンバーとで、あるサプライズを考えました。
もちろん、奥さんに感謝の気持を捧げるサプライズの演出でした。
その人気バンドとは?
そして、どんなサプライズをやったのか?
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もうすぐ年末を迎えるあわただしい時期のことです。
その人気バンドのメンバーは、
つんく♂さん宅のホームパーティに登場します。
その人気バンドとはTOKIO。
つんく♂さんとサプライズの”悪だくみ”を立てたのは長瀬さんでした。
自分の結婚式で歌うことの出来なかったつんく♂さんは、
いつか二度目の結婚式を行い、
そこで奥さんに歌のプレゼントをしようと考えていました。
しかし手術によりそれも叶わなくなりました。
長瀬さんはその思いを汲んで
「じゃあ僕らがなにか演りますよ」
と当日のミニライブを約束してくれたのです。
パーティー当日、つんく♂さんの家に集まったTOKIOは、
奥さんにばれないようにそれぞれ楽器を持ちこみ、
一人二人と席を立ち楽器をセッティングし始めました。
「今日は楽しいホームパーティーをありがとうございます!
そしてつんく♂さん、退院おめでとうございます!
つんく♂夫妻も結婚九年、出会って十年の記念ということで
TOKIOから歌のプレゼントをさせていただきたいと思います!」
という長瀬さんのあいさつから始まり、
「AMBITIOUS JAPAN」をTOKIOだけで演奏してくれました。
そしてつんく♂さんもメンバーに呼びこまれ、
ギターを持って「花唄」をセッション。
奥さんは感動の笑顔と涙でくしゃくしゃになりながらも、
本当に幸せそうだったといいます。
つんく♂さんは、このセッションで喜ぶ奥さんと子どもの顔をみて、
音楽の素晴らしさを再認識したといいます。
自分ももう歌うことはできないが、
やっぱりまたステージに立ちたいなと思うようになってきた。
…つんく♂さんはそう語りました。
さらにTOKIOは、教会の結婚式で読み上げるような
誓いの言葉をアレンジした誓約書を持参していました。
つんく♂さんと家族がサインをし、
立会人としてTOKIOのメンバー全員もサインをしました。
つんく♂さんは
「忙しい時期に時間を割いてくれた
TOKIOのメンバーには本当に心から感謝している」
と述べてます。
参考URL: http://www.gruri.jp/article/2015/09100040/