事故ではないらしい。
年度末に集中する道路工事もしていないはずだ。
時間に忙しい私はイライラしていた。
待つこと数分、ノロノロ動き出した。
「現場」にさしかかった。
その「現場」の様子を見て、私は大いに納得した。
同時に、それまでイライラしていた自分を恥じることになった。
渋滞を招いたその「現場」とは>>>
スポンサーリンク
↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓
その「現場」では、おばあさんが二人、道を横切っていたのだ。
一人は目の不自由な人、いま一人はさらに高齢で足が不自由のようだ。
そばでは三人のヤンキースタイルの少年が、二人のおばあさんを助けてあげていた。
パーマをかけ、髪の毛を染めたツッパリの風体と、
二人のおばあさんとの組み合わせが何とも奇妙ではあった。
一人は手を上げ車を止め、一人はおばあさんの手を引いてやり、
残りの一人は反対側で通行車両にペコリペコリと頭を下げていた。
やっとおばあさんたちが通り終わった。
待たされて文句を言う者はいなかった。
運転席から拍手をする人らもいた。
私もついこぼれた笑顔で会釈しながら「現場」を通り過ぎた。
少年たちに幸あれ!
お年寄りにも一日も長生きしてもらいたい、そう思った。
イライラした自分が恥ずかしい一日でもあった。
参考本:涙が出るほどいい話 河出書房新社 「小さな親切」運動本部編