アメリカのミズーリ州カンザスシティには、
12月に街角で恵まれない人々に対して、現金を配る男性がいました。
その活動は、26年間も続けられたのですが、
男性が身元を隠していたため、どこの誰かは分かりませんでした。
そのため、彼は「秘密のサンタ」と呼ばれていました。
しかし、2006年11月、彼は突然素性を明かします。
「秘密のサンタ」の正体は、同州に住む58歳の実業家。
重い食道がんを患い、人に親切にするという自分の信念を広めようと、
正体を明らかにしたのでした。
彼には職を失い、車の中で寝泊まりしていた時期がありました。
そして、やけになってレストランでお腹いっぱい朝食をとった上で、
財布を失くしたと嘘をついて、ごまかそうとしたことがあったそうです。
普通なら、そんな嘘は通用しないでしょう。
しかし、そのレストランの経営者は、彼を責めることはしませんでした。
それどころか、・・・>>>
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レストランの経営者は、それどころか、あなたが落としたお金があったと言って、
彼に20ドル札を差し出したのです。
彼は相手をうまく騙せたと思ったのですが、よく考えてみると、
それがレストランの経営者の優しさだったことに気づきます。
その後、彼はケーブルテレビの事業で成功をおさめ、裕福な暮らしを手に入れます。
しかし、そのレストランでの経験を忘れることはありませんでした。
そして、1979年、ドライブインの女性従業員に20ドルを手渡したことをきっかけに、
恵まれない人にお金を配るという活動を始めたのです。
2007年1月、彼は癌による合併症により亡くなりました。
それまでに配ったお金は総額130万ドル(約1億4千万円)にも及んだそうです。
しかし、「秘密のサンタ」は2007年の12月にも街角に現われ、人々にお金を配りました。
実は、彼が臨終する際、友人の一人が「秘密のサンタ」を引き継ぐことを約束し、
誓い通りに活動を始めたのです。
また「他の誰かを助けることこそが、私たちの生きる目的なのだ」と語り、
「アメリカのあらゆる街にサンタが訪れるように」と願い続けた彼の意思は、
多くの篤志家の心を捉えました。
そして「秘密のサンタ」はミズーリ州のみならず、
カリフォルニアやアリゾナなどにも登場。
活動は全米に広がっているそうです。
参考本:ちょっといい話
佐藤光浩(アクアポリス文庫)