介護の日々を送る方へ、荒木由美子さんのお話し

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荒木由美子というタレントさんをご存じでしょうか。

30年ほど前にアイドルだった女性で、
13歳年上の歌手、湯原昌幸さんと結婚しました。

この方の介護体験は、よくあちこちの認知症講座で語られています。

結婚して4年ほど経った頃、
まだ由美子さんが20代の頃から義母(湯原さんのお母様)への
献身的な介護体験が始まります。

そのときのお話しの一部をご紹介します。

お義母様は、アルツハイマー型認知症を発症しました。

よくありがちな「ご飯食べたかな?」とか「お金がなくなった、盗られた」
などばかりではありません。

宅配便や郵便配達の人たちが来たら、
「由美子は自宅に男を連れ込もうとしている」との疑いまで持ちます。

つまり、これらモノを持って訪ねてくる人たちのことが
「由美子にプレゼントを持ってくる人」のように見えたのでしょう。

その頃の由美子さんの生活は、介護と子育ての同時進行。

しかも、お義母様にとって由美子さんは、それ以外に頼ることのできない存在です。

トイレにもどこに行くにも一緒。

夜もソファで手をつないで寝るのが日課です。

お義母様が認知症を発症して7年目のことです。

さらにお義母様はうつ病を併発してしまいました。

部屋から出ようとしないお母様への説得のため、

夫である湯原昌幸さんが部屋に向かいました。

そのときに、ご夫婦の介護生活を大きく変える事件が起こります。

お義母様の部屋から「ドン!」という大きな音が聞こえました>>>

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の湯原さんが、部屋に向かい話声がかすかに聞こえた後、
急に「ドン!」という音が。

由美子さんが台所からかけつけると、
なんと湯原さんがお母様の首に手をかけていたのです。

我に返った湯原さんと由美子さんは、二人して大泣きに泣いたそうです。
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湯原さんによると、こうだったのです。

お母様が鬼のような形相で、湯原さんに体当たりをしてきました。

止めようとするほど、お母様の暴れは止まりません。

かといって実母を殴るわけにはいかない、蹴るわけにもいかない。

気づいたら手を首にやっていたそうです。

介護疲れで起こる悲しい事件がありますが、この日のことも含め、
毎日一生懸命に介護するゆえの出来事だと思われます。

その夜、お二人は決心しました。

やはり専門的な施設の力を借りようと。

それでも、施設巡りに1年半をかけてようやく
施設への入所が叶うことになりました。

晩年お義母様は白血病を発症しました。

由美子さんは、毎日施設に通い、
お義母様への心を込めた介護を尽くしていました。

毎日、施設から帰るときは、ハグして、
そしてその後は後ろを振り返らないようにしていました。

ところが、2003年1月8日のこと。
なぜか、由美子さんは振り返ってしまいました。

もう一度さよならのハグをし、頬と頬を合わせているとき、
お義母様がぽつりとひとこと告げました。

「長いことありがとう。
由美ちゃんたちに悪いところはないからね」と。

その翌日、お義母様はお亡くなりになったそうです。

由美子さんはこう言っています。

『義母は老いること、病気になること、
看送るときの覚悟を自分の身体を使って、
私に勉強させてくれたんだなと思っています』

『皆さん、周囲に認知症の患者さんがいる家庭があったら
「大丈夫?」とひと言、声をかけて下さい。
それだけで家族は救われるんです』

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