パリ同時多発テロで妻を失ったフランス人男性が、
イスラム過激派の容疑者らを「君たち」と呼び、
フェイスブックにつづった文章が多くの人の共感を呼んでいます。
各国メディアが「心を動かされる」と取り上げ、
インターネット上ではシェアが22万件を超えました。
フランスメディアによると、
男性はジャーナリストのアントワーヌ・レリスさん(34)。
妻(35)がバタクラン劇場で犠牲になりました。
「憎しみという贈り物を君たちにはあげない。
怒りで応じてしまったら、君たちと同じ、
まさに無知に屈することになるんだ」
と書きつづっています。
また1歳5ヵ月の息子メルビルちゃんと
普段通りに暮らす大切さに触れ、
「息子と二人になった。
もう君たちに構ってる暇はない」と強調。
「メルビルが昼寝から目を覚ますから、
一緒にいなければならないんだ。まだ17ヶ月。
この子がずっと幸せで自由に生きていけば、
君たちは恥を知ることになる。
だから、君たちを憎むことはしない」
と結んでいます。
レリスさんは、16日にメッセージを投稿。
読んだ人たちから「平和へのメッセージをありがとう」
などとする反応が相次いでいます。
多くの人に読んでいただきたい文章です。
そのフェイスブックへの掲載全文をご覧ください>>>
↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓
君たちを憎まない。
金曜日(13日)の夜、
君たちは掛け替えのない存在の命を奪った。私の人生最愛の人、私の息子の母親。
だが、私が君たちに憎しみを向けることはない。
君たちが誰か知らないし、知りたいとも思わない。
君たちは死んだ魂だ。
君たちは神の名において殺戮を行った。
もしその神が自らの姿に似せて私たちをつくったのであれば、
私の妻の体の中の一つ一つの銃弾が、神の心の傷となるだろう。だから、君たちに憎しみという贈り物をすることはない。
君たちの狙い通りに、憎しみに怒りで応じてしまったら、
君たちをつくり上げたのと同じ無知に屈することになる。君たちは私が恐れをなし、
同じ街に住む市民らに疑いの目を向け、
身の安全のために自由を犠牲にすることを望んでいる。君たちの負けだ。
何度やっても同じだ。
今朝、彼女と会った。
何日も何夜も待った後、ようやく。
あの金曜日の夜に出掛けた時のまま、そして12年以上前、
私が狂おしいほどの恋に落ちた時と同じように美しかった。もちろん悲しみに打ちのめされている。
君たちの小さな勝利を認めよう。
だが、それはごく短い間だけだ。
彼女は毎日私たちと一緒にいて、
君たちが決してたどり着けない自由な魂の天国で
再び巡り合うだろう。息子と二人になった。
だが、私たちは世界中のすべての軍隊よりも強い。
もう、君たちに構っている暇はない。
メルビルが昼寝から目を覚ますから一緒にいなければならない。
まだ17ヶ月。
いつものようにおやつを食べ、
私たちはいつものように遊びに行く。この幼い子がずっと幸せで自由に生きていくことで、
君たちは恥を知ることになる。なぜなら、彼が君たちを憎むこともないのだから。
出典元:佐賀新聞 ’15/11/21 「地球は動く」より