演歌歌手の小林幸子さんが特別出演枠で出場し「千本桜」という曲を歌いました。
おなじみ「メガ幸子」も紅白の舞台に威風堂々と登場し、
観客への見どころを作りました。
「おもいで酒」など多くのヒット曲を持つベテラン演歌歌手の小林幸子さん。
大がかりな豪華衣装をまとって歌うのが紅白歌合戦の名物でした。
しかし2012年に自身の事務所の社長らを解雇したことが大きなトラブルとなり、
レコード会社の契約を解除されました。
お家騒動のゴタゴタがマスコミでも叩かれ、
その結果、前年まで33回連続で出場していた紅白歌合戦にも落選したのでした。
その後、2012年~2014年の3年間、紅白歌合戦には不選出となりました。
大御所であればあるほど、この種のトラブルは命とりになりがちです。
これまでもどれだけ多くの歌い手さん、タレントさんが、
トラブルやスキャンダルによって、芸能活動の命脈を断たれたことでしょうか。
ありていに言えば、芸能界のエライ人のご機嫌を損ねたら、
多くの場合、それでおしまいというのがこの業界の常のようです。
ところが子役時代から、この世界で苦汁をなめてきた小林さん、
コケて、そのまま滑り落ちる人ではありませんでした。
いわゆる日の当たる表舞台からのお声がかりが少なくなっても、
小林さんは、歌手としてやることはやっていたのです>>>
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表舞台から遠ざかっている間の小林さん、
ただボーッとお声がかりを待っていたわけではありません。
ニコニコ動画への投稿活動で、ネット内でのファン層を確実に捉えていたのです。
活動の場は、いまやテレビというマスメディアだけではない、
ネットというパーソナルメディアにも、自分を活かせる場はある、
そういう切り替えをしたのでしょう。
今回の紅白特別出場枠での出演というのも、
NHKがネットでの小林さんの評判を無視することができない、
という経緯もあったようです。
紅白で小林さんが歌った「千本桜」という曲は、
もともと2011年に、音楽プロデューサーsyana(黒うさP)が、
声合成ソフト「初音ミク」を使った「ボーカロイドソング(ボカロ曲)」でした。
この曲はカラオケなどでも人気となり、舞台化、小説化もされました。
ネット発の選曲だったというのも、
NHKが小林さんの最近の事情をよく理解していたからにほかなりません。
紅白でのテージの様子は、tweet数では嵐をも上回り、
ニコニコ動画には29万件もの応援コメントが届きました。
小林幸子さんが多くの(ネット上の)人に支持されていることが証明されたようです。
芸能界も、言うならば「ムラ社会」かもしれません。
華美に見えるその世界も、内に入れば閉鎖社会。
エライ人の胸先三寸で、芸能活動の命脈が
決定される一面があったかもしれません。
テレビの向こう側は内的な「ムラ社会」、
インターネット上には、開かれた外側社会がある。
ここにきて、小林幸子さんの「外側」での人気は、
内に籠った「ムラ社会」に小さな風穴をあけたのかもしれません。