俺、キャラクターショーやってるんですよ。
デパートや遊園地で仮面ライダーとか戦隊モノとかのショー。
で、その日はある大企業の社員慰労会イベントで
「未来戦隊タイムレンジャー」ショーをやりにいきました。
俺は悪ボスで出演だったから、
ショー終了後の握手会はスタッフとして動き回ってました。
悪ボスというのは、マイク持ってショーを進行する悪役のことです。
子供と遊んで「お前の母ちゃんきれいか?」とか変なことを言う人です。
ほんで握手会も無事終わり、タイムレンジャー五人を控え室に誘導して、
後片付けをしていました。
そしたら俺のところに、ショーの担当者とは別の担当者が来て
「あの、すみませんが、どうしてもタイムレンジャーに会いたい子供がいるので、
写真撮らせてもらえませんか?」とのこと。
まぁ、ショー終了後に、クライアントや関係者から
写真撮影をお願いされるっていうのは日常茶飯事なので、
(だけど一般の客には知られない様に)
「あぁ、いいっすよ。じゃあタイムレンジャー呼んでくるんで、
その子をここに連れて来て下さい」
と言い残して控え室に戻りました。
で、タイムレンジャー連れて、
指定した場所に戻ってみるとその子が来てました。
年は3歳~5歳位の男の子。
でもその子普通とはちょっと違う子で、歩行器を使っているのです。
独力ではうまく歩けないらしく、
お父さんが手をつなぎ、支えてあげてる様子でした。
で、俺もタイムレンジャーも動揺しちゃって・・・。
そしたらその子、お父さんの手を離して、自分で歩いて来たんです>>>
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右手をタイムレッドに伸ばしながら。
その子は、必死になってタイムレッドに向かって歩いてくるんですよ、ゆっくりと。
タイムレッドのところに来たら、レッドに抱き締められて、
その子すっごい嬉しそうな顔してました。
表情もあんまり作れないらしく、喜んでるのかよくわかんない顔だったけど、
あれは絶対に喜んでる顔だった。
で、ふと横見たらお母さんが静かに涙をふいていた。
お父さんも目に涙溜めながら「○○くん、よかったね」って。
それ見たら俺の目も真っ赤になっちゃってさ。
で、タイムレンジャーと握手して、写真撮って、
その子帰る時ずーっと後ろ振り返りながらバイバイしてたんです、必死にね。
その家族が帰った後、俺たちは担当者にも
「本当にありがとうございました」って頭下げられました。
この現場の帰り道、タイムレッドやってた親友と
「あぁいうの弱いんだよね」としんみりなりました。
ぶっちゃけこの時、この仕事に限界を感じてたんだけど、
このことがあったので、身体が続く限り子供達のために夢を!
って決意して今に至っています。
最近特撮ヒーローが、イケメンだとかで盛り上がってるけど、
やっぱりヒーローってかっこいいなって思います。
あの時の僕、タイムレッドに会えて嬉しかったですか?
元気分けて上げられましたか?