ある日、市内のビル建築現場で仲間と二人、昼食に近くの食堂に入りました。
食堂といっても、オフィス街の小ぎれいな小料理屋風の店。
ちょっとまずかったかな、場違いだったかな、と思いました。
その予感が当たり、カウンターが満席で
座席に上がった私たちのほこりまみれの靴は、
店の人によって素早くスミの方に押しやられました。
やがて、小さくなっている私たちの前に昼食が運ばれてきました。
そのとき、隣のテーブルにいたОLらしき女性がつと立ちあがり、
私たちのところに近づいてきました。
美しく若い女性です。
薄汚れた私たちに、何の用事があるというのでしょうか?>>>
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隣のテーブルにいたその女性は、
カウンター上のセルフサービスのお茶を注ぐと、
私たちの前に「どうぞ」と置いてくれたのです。
私はびっくりしました。
場違いのところにいる、うす汚れた中年の労働者たちへの親切な行為。
周囲のお客さんの見る目もあり、
どれだけ勇気のいる行為だったことでしょう。
その行為は、小さくなっていた私たちの心をほんのりと温めてくれました。
その心根の優しさは、失意のどん底にあった私の心を
どれだけ救ってくれたことか。
「うら若き女性よ、あなたの幸せをお祈り申し上げます」
心の中で、そう念じる私でした。