落語の春風亭小朝師匠、
15歳のときに春風亭柳朝師匠に弟子入りしました。
それ以来、いろんな教えを柳朝師匠にいただきました。
しかし、小朝師匠が言うには、
今まで自分を支えてくれた言葉の中で、最も深く影響を受けた言葉、
・・・それは柳朝師匠の「最期の言葉」だそうです。
柳朝師匠にはお子さんがいらっしゃいませんでした。
それもあり、小朝さんのことを実の子のように可愛がっていたのです。
柳朝師匠がお亡くなりになる前、
「柳朝」の名を誰に引き継ぐかという話が出たとき、
小朝さんを含む誰もが、当然、「小朝に」となると思っていました。
ところが、柳朝師匠は、小朝さんではない別の人を指名したのです。
この世界では、師匠が弟子に名前を譲ると言えば、
弟子はそれを拒否できません。
その瞬間、小朝さんは、
柳朝師匠の声にならない言葉を聞いた気がしたといいます>>>
スポンサーリンク
↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓
小朝さんが聞いた声なき声。
しかし、それは強く確実に小朝さんの胸に届いたといいます。
『おまえは俺の名前を超えていけ』と。
柳朝師匠がお亡くなりになって、しばらくのち、
おかみさんが小朝さんに語りました。
小朝には名前を残さない。
あいつには、名前を超えて大きくなってほしい。
そんな言葉を柳朝師匠が残していたそうです。
そうか、やはり師匠と固い絆で結ばれた弟子の間には、
聞こえない声も聞こえてくるものだ。
小朝師匠は、そう確信しました。
そして、こう述べています。
言葉を発し、語りで人を楽しませるのが落語家。
でも僕の運命を決めたのは、柳朝師匠の言外に示した”愛情”だったのです。