中学時代特有の反抗期で、
窃盗、暴力… いろんなことをやってきた。
部活は野球部。
気持は荒んでいたけれど、部活だけは一生懸命だった。
野球部顧問の先生はすごく怖かった。
叱られ、鍛えられて何度もやめそうになったよ。
それでも俺は続けた。
なにより野球が好きだったから。
そんなある日、事件を起こしてしまった。
俺は、悪い仲間とともに万引きで警察に捕まった。
署で指紋をとったり、事情聴取などをされた。
無論、警察から親に連絡をして、母が迎えに来ることになった。
母が来て、母は必死に警察の人に頭を下げていた。
そのあと親にはこっぴどく怒られた。
母は口をきいてくれない。親父には殴られる…
そのあと警察からは、学校にも連絡が行った。
それにより、俺は一週間の部活停止…
顧問の先生にはもちろん怒られた。
目の玉が飛び出るほど叱られた。
もう終わりだと思ったよ。
このまま部活を退部して、ぐれて、
ろくでもない人生を送るんだと思った。
顧問の先生は、いったん叱り終えると、
俺に膝づめで向かい合った。
「お前の汚れは、自ら洗い流せ」
「え?」
俺は意味が分からなかった。
やり直すつもりがあるなら、
自らの汚れを洗い流す方法を教えてやる、
先生は、そう言って俺の目を見た>>>
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きょとんとした俺は、先生に逆らうつもりはなかった。
怖いけどこの先生は、常々生徒を見捨てることはしない。
この時も先生だけが俺のすがる命綱のようなものだった。
部活停止の一週間、すべてトイレ掃除をすることを
顧問先生に指示された。
全学年のトイレを掃除した。
それでも先生は、単に俺に罰を与えて
そのまま見放すつもりでないことはよく判った。
先生もトイレ掃除に付き合ってくれたのだ。
先生は部活には顔をださず、その一週間、
ずっと俺のトイレ掃除を手伝ってくれた。
一生懸命、便器をこすってる先生の背中を見て、俺は思ったよ。
『変わろう』って。
ここで変わらなきゃ、俺は男失格だ。
それから俺はぐれることなく、中学、高校を卒業した。
今は普通に働いて、家族もいる。
今の俺があるのは、あの先生のおかげだと真にそう思う。
ありがとうございました。先生。