母が小さい頃、近所に住んでいた
ある男の子の母親が亡くなりました。
それからというもの、その子は手も付けられないほどに
荒れまくって、近所の人からも敬遠されるようになっていました。
ある日、家の近所でその男の子が悪さをしでかしました。
その被害者が伯父(母の兄)だったようです。
何かのイタズラで伯父に怪我をさせてしまったのです。
その話を聞いた祖母の顔色が変わりました。
脱兎のように駆け出した祖母は、
逃げるその子を捕まえました。
捕まえて、庭にある木に縛り付けてしまったのです。
泣きわめき、騒ぎまくるその子の声を聞いて、
近所の人たちが遠巻きに集まってきたそうです。
「親のいない子に可哀想じゃないか」
「そこまでするのは自分の子の仇討ちか」
そんな近所の人たちの声に向かって、祖母がひと言。
「手を出さないで。
今、この子を私が叱らないで、誰が叱ってやるの!!」
それから何十年も経って、祖母が他界した時、
遠くに住んでいるその彼が、人伝てに祖母の死亡を知りました。
そしてわざわざ家まで訪ねてきたのです。
祖母の墓前でお参りして、
母たちの前で頭を下げ、こう言ったそうです>>>
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「今の僕があるのは、あなた達のお母さんのおかげです。
あの時、木に縛り付けられて、すごい説教されて……。
こんな自分でも真剣に叱ってくれて、本当に嬉しかった。
あの時、叱ってもらえなかったら、
きっとろくでも無い大人になっていたはずだ。
本当にありがとうございます」
この話を聞いた私は、すごく胸に響きました。
たまたま、そのときに読んでいた本の内容と
ある一面で符合していたからです。
その本の一文はこういうことでした。
「子供を不幸にする一番確実な方法は何か、
それをあなたは知っているだろうか?」
フランスの思想家ルソーの言葉です。
この言葉には、こんな続きがあります。
「それは、いつでもなんでも
手に入れられるようにしてやることだ」