僕が小さい頃、この店の前で駄々をこねて
お子様ランチを食べたいと言ったことを。
父さんは「ワガママを言うな!」と一喝し、僕の頭を殴りました。
僕は泣きじゃくっていましたが、
それを背に、貴方は何ごとも無かったかのように先を歩いていました。
母さんに支えられながら歩いた僕は、
貴方のその背中を見て、畏怖したものです。
家に帰っても父さんとは話ができず、
家の中には、気まずい空気が流れていたように思い出します。
その日から、何日経ったでしょうか。
母さんが「こっそりあの店に行きましょう」
と言ってくれたのです。
僕は嬉しさに身震いしました。
でも、後で父さんにバレて怒られることを危惧しました。
結局、幼い僕はお子様ランチの誘惑には勝てず、
母さんと二人、店に向かうことになりました。
その店に向かう道中から、その店でお子様ランチが出るまで、
僕は胸をワクワクときめかしていました。
そして、念願のお子様ランチが出てきた時には、
もう僕の喜びは最高潮に達しました。
そこから先は、僕もあまり覚えてないのです。
本当にもう、ただお子様ランチに心を奪われていたのでしょう。
気づいたら、すでに皿の上には何も乗っていなかったのでした。
あっという間に、僕は皿の料理を平らげたのです。
そこで再び、僕の中には父さんへの畏怖が湧き上がってきました。
僕は、恐る恐る母さんに対して口を開きました。
「この事、父さんには内緒だよね……?」と。
しかし母さんが言ったのです。
「う~ん、それは無理かもね」
僕は愕然としました。
どうして?どうして?どうして? >>>
↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓
お子様ランチに対する充足感はどこへやら、
僕は暗澹たる思いに陥りました。
何も信じられなくなろうとしたその刹那、
母さんはこう続けたのです。
「父さんが『この金で連れて行ってやれ』って言ったことだから」
父さん、覚えていますか?
僕は、今でもあの時の親父の背中を覚えてますよ。
けど、本当は…本当は、父さんも一緒に食べたかったのです。
今さら言ってもしようがないし、
父さんは不器用な人だったから仕方ないけれど…。
だから、約束してください。
僕がそっちに行ったら、
その時はまさかお子様ランチ…
というわけにはいかない。
せめて、いっぱいお付き合いください。