バツイチの俺、約束の時間ギリギリに舞浜駅のホームから階段を下りると、
雑踏の中に元妻とミニリュックを背負った小3の息子が待っていた。
半年ほど見ない間に、また一回り大きくなっている息子をじっと見ていると、
元妻が「じゃあ、お願いね」とパスポート(引換券)とメモ紙を渡してくれた。
元妻に見送られ改札を出る俺と息子。
メモには息子の好きなアトラクションや好みの店、食べ物が記してある。
ランドまでの道のり、二人とも無言だった。
いろいろと話したいこともあった。
普通の父親がするように頭をなでたりも…。
でも、きっかけがつかめずにそのままランド内へ。
いろんなアトラクションを楽しむうちに少しずつ会話が増えてきたが、
まだお互いに気を遣っているような感じもあった。
食事の時、キャストから「お父さん」と言われ、
なんか不思議な気分。
長いようで短い8時間ほどの親子ゲーム。
夕闇せまる駅のホームで、息子を元妻に引き渡した。
彼女の希望で、俺は一本あとの電車に乗るので、二人を見送ることになる。
電車のドアが閉まる寸前、息子が周囲も気にせず大声で叫んだ>>>
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「お父さん、今度はシーだよ!絶対、一緒に行こうね!」
その日聞いた、初めての「お父さん」という言葉。
なんで、別れぎわ、ギリギリの時に言うんだよ。
親の都合で、こんな風に父母別々に楽しませる時間になってしまってる。
健気に気を遣ってる息子に、申し訳ない気持がいっぱい。
電車の中で携帯の自撮りで撮った今日の写真を見た。
同じように口を開けているバカヅラの二人の顔を見てると、
なんだか泣けてきてしまった。