道化師の涙のわけは?

a947
る国に演技の上手い道化師がいました。

その道化師が演技を始めると、
どんな仏頂面の人も笑顔になりました。

道化師の演技を一目見ようと近隣諸国からも来るほどでした。

ある日、国王が近隣諸国の来賓へのレセプションのために、
その道化師と小屋の仲間を呼びました。

レセプションの当日、道化師の息子は大病を患い寝込んでいました。

年をとってから出来た子供で、夫婦は息子をとても可愛がっていました。

「今日のレセプション、断ろうか?」
と道化師の夫婦が話していると、息子がベッドの中から言いました。

「パパの道化師、大好きだよ。
 だって、皆がパパを見て笑顔になるんだもん。
 僕は大丈夫だから、皆を笑顔にしてきて!」

道化師は、後ろ髪を引かれる思いでレセプション会場へ向かいました。

仲間が口々に言います。

「こんな日くらい、休めばいいものを、そんなに名声が大事なのか!」

道化師は演技を始め、観客をわかせました。

使いの者が道化師に耳打ちしました。

「息子さんが先ほど息を引き取りました。帰ってあげて下さい」

しかし道化師は演技を止めません、観客をわかせ続けます。

「子供より名声を取りやがった!」

小屋の仲間はそう言いました。

それでも道化師は、演技を続け、観客をわかせ続けました。

ふと、客席がざわつき始めました>>>

スポンサーリンク

↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓

化師が泣いてる・・・」

「皆を笑顔にしてきて!」

道化師は、息子との最後の約束を果たすためにステージに立ち、
演技を続けていたのですが、何かが目に留まってしまったのです。

「何か」とは観客の中の少年の姿でした。

その男の子の姿が、自分の息子とがダブって見えてしまい、
道化師は泣いてしまったのです。

顔は笑っているのですが、涙が止まりません。

道化師は、この時のことを恥じて、二度とステージに立ちませんでした。

その後、その道化師を讃え、メイクに一筋の涙を描くようになったのです。

道化師の笑顔の下には、実は深い悲しみが隠されているのでした。

スポンサーリンク