広島のある地域ボランティア・グループでは、
子どもたちの非行防止や被害から子どもたちを守ろう
という取り組みが続けられています。
広島市内を中心に活動する
『八幡(やはた)パイロット』もその1つです。
今から10数年前のことです。
当時、広島市内にはいくつもの「暴走族」があって、
非行の温床になると問題になっていました。
そこで、『八幡パイロット』のメンバーは、
自分たちに出来ることはないか、みんなで話し合ったといいます。
でもメンバーの多くは女性で、出来ることは限られていました。
そんな中で、1つのアイデアが出されました。
それは、これまでの暴走族対策では、
考えられないようなアイデアです。
「レディース」と呼ばれる、女の子ばかりの暴走族を対象に
「料理教室」を開くというものです。
自分たちの娘に料理を教えるように愛情を持って接すれば、
心を開いてくれるかもしれない、そう考えたのです。
警察に協力してもらい、14歳から17歳のレディースのメンバーが、
会場となった地元の公民館に集められました。
髪の毛を脱色して、きついメイクをした女の子の集団を前に、
『八幡パイロット』の主婦たちは、やっぱり最初は気圧されたといいます。
それでも、意を決して集団の中に飛び込んでいきました。
まずは用意してあった、レディースのメンバーの名前が入った
「手作りのエプロン」を配りました。
嫌がるかもなぁ…そんな心配もありましたが、
それを見た少女たちは表情を和らげて、
中には笑顔を見せてくれる子もいました。
その姿は、普通の女の子だったのです。
「これは、いける」
主婦たちには、そんな予感が生まれたといいます。
そして、鶏のから揚げやとん汁など、
普段家庭で作っている料理を4品ほど、
手分けをしていっしょに作りました。
料理の手順から会話は始まりましたが、
次第に打ち解けていって、
それ以外の話も少しずつ出来るようになったのです。
最後はワイワイといっしょに食べて、
次の「約束」をすることもできました。
こうして「料理教室」は、このあと、数年に渡って続けられたのです。
でも、「終わる日」が来ました。
続けてきた料理教室が、なぜ終わってしまったのか・・・?
主婦のひとりMさんは笑いながら、その質問に答えてくれました>>>
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『実は、リーダー格だった女の子がメンバーと話し合って、
レディースを解散することになって、実際に解散しちゃったからです。
思いが通じたんだって、うれしかった』
この経験からMさんたちもまた1つのことを学びました。
それは子供には、大人が見守る
「居場所」が必要だということだったのです。