ばあちゃんは、多少記憶が怪しくなってからも、孫が集まると、
「内緒でお小遣いをあげるで、お菓子買いな」
とお金を握らせてくれました。
大金は持たせられないからと周囲が気遣っていたので、
孫に握らせたお金は10円玉でした。
いつも孫に優しい、穏やかで、まだら模様の認知症になってからも、
かわいいばあちゃんでした。
ばあちゃんの口癖は、
「○○のお嫁さんを見たいねぇ」「曾孫を見たいねぇ」
でしたが、私が高校の頃に亡くなりました。
高校生の私は、ばあちゃんに、
お嫁さんも曾孫も見せられなかったことを、
申し訳なく思ったものでした。
それから7年の後、私は結婚しました。
その2年後には子供も生まれ、本当に幸せでした。
が、息子が5歳の時、それは突然やってきました。
「白血病」
この病気は自覚症状が少なく、周りから見てもなかなか分かりません。
発見が遅くなり、入院時にはかなり進行した状態でした。
自宅からかなり離れた大学病院を紹介され、
病室で眠る息子を前に泣きました。
採血で何回も痛い注射をされ、
点滴や心電図用のモニター等、いくつもの機械に囲まれながら、
「パパ、大丈夫?」
と私を気遣う息子でした。
こんなに優しい子がなぜ?という気持と、
この子を失うかもしれない恐怖の中、
私は一晩中泣きました。
泣きながら願いました。
神様に、…そして大好きだったばあちゃんに。
「ばあちゃん、ばあちゃんの曾孫だよ。お願いだ!
まだ連れて行かないでくれ!守ってやってくれ!」
その日から息子の辛い治療が始まりました。
治療を進めていたある日のこと、
息子が不思議なことを言ったのです>>>
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息子が言いました。
「もう大丈夫だって言ってたよ」
医者は、私に決して大丈夫などと言いませんでしたし、
治療も先は長いものでしたから、不思議に思い、
誰がそう言ったのか息子に聞きました。
そうすると息子は、知らないおばあちゃんがベッドに来て、
「悪いムシムシはいなくなるからね、もう大丈夫」
と言ったとのこと。
妻と私のどちらかが常に息子のそばにいますが、
そんな人が来たことはありません。
まして来たのは面会時間外のようでした。
腑に落ちないままになっていたある日、
またあのおばあちゃんが来たという息子。
今回は、私がお茶を買いに出た数分間のことですし、
本当におばあさんがいたのなら、
廊下で必ず私とすれ違うはずです。
不審に思っている私に息子が言いました。
「○○(私の名前)が心配だって言ってた。
ちゃんとご飯食べなきゃって」
なぜかは分かりませんが、
直感的に死んだばあちゃんだと思いました。
それ以降、ばあちゃんは息子の前に出てきませんでしたが、
私はばあちゃんが守ってくれているのだと思い、
心が少し軽くなった気持がしました。
『ばあちゃん、息子が元気になったら、絶対墓参りに行くからな』
心の中でそう思いました。
息子は退院し、今は小学校にもちゃんと行っています。
この病気は再発は心配ですが、漠然と大丈夫だと思っています。
そういえば、私には霊感など全くありませんが、
病院では色々と不思議な話を聞いたり、
不思議な現象を見たりして驚きました。
なのに自分のこの事件は、全く驚きもせず、
不思議にも感じませんでした。
今思えば、そのこと自体が不思議ですね。
参考本:泣ける2ちゃんねるⅡ(コアマガジン)