「なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることが出来ないのか…
それは、私が声帯を摘出したからです」
近畿大学入学式での新入生に向けた祝辞です。
つんく♂さんご自身の大きい選択とともに、
大学後輩に向けた、温かく熱いメッセージ
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【メッセージ全文はこちらです】
平成27年度、近畿大学にご入学の皆さん、
入学おめでとうございます!
この大学の卒業生でもあります私、
「つんく♂」と申します。
正直言いましょう。
今日のこの入学式には、
近畿大学に必死のパッチで入学した人、
狙いを定めて入った人、
結果的に(滑り止めで)近畿大学に入った人。
でも、あなたにとってどの大学が
正解だったんでしょうか…
それはわかりません。
ただひとつ言えるのは、この先の人生で、
あなた自身が、
「ああ、この大学に入ってよかったな」
という道を歩めばいいんだと思います。
なぜ、今、私は声にして祝辞を読み上げることが出来ないのか…
それは、私が声帯を摘出したからです。
去年から喉の治療をしてきていましたが、
結果的に癌が治りきらず、摘出するより他なかったから、
一番大事にしてきた声を捨て、
生きる道を選びました。
そんな私に、
「今年も近畿大学の入学式のプロデュースをお願いしたい」
とこの大学から依頼がありました。
その時に思いました。
「ああ、この大学を卒業してよかったな。
こんな私がお役に立てるなら、
精一杯頑張ろう!」
そう心に思いました。
昨年末から何度も大学とメールでやり取りしたり、
スタッフが伝言してくれたり、を繰り返しつつ、
今日、この日を迎えました。
KINDAI GIRLSの皆さん、
吹奏楽、応援部の皆さん、
その他、たくさんの学生の皆さんが、
今日の日のために、夢中でレッスンしたり、
準備してくれました。
「みんなで一緒に新入生を迎え入れよう!」と。
ここまでの人生は、もしかしたら
受け身だった人もいるかもしれません。
親が言うから…
学校の先生がすすめたから…
でももうすぐ皆さんは成人します。
もう自分の人生を歩んで行くんです。
後悔しても意味がないんです。
今から進んでいくんです。
自分で決めて進んで行けば、
絶対に何かを得、そしてまた次のチャンスへと
つながっていくんだと思います。
私も声を失って
歩き始めたばかりの一回生。
皆さんと一緒です。
こんな私だから出来ること。
こんな私にしか出来ないこと。
そんなことを考えながら、生きていこうと思います。
皆さんもあなただから出来ること、
あなたにしか出来ないこと、
それを追求すれば、学歴でもない、
成績でもない、
あなたの代わりは無理なんだという人生が、
待っていると思います。
近畿大学は、どんなことにも
チャレンジさせてくれます。
だから、何もしなかったら何もしないなりの人生を
チョイスすることになるし、
自分で切り開いていく道を選べば、
きっと自分を大きく育てるような、
そんな大学生活になるでしょう。
仲間や友人をたくさん作り、
世界に目を向けた人生を歩んでください。
私も皆さんに負けないように、
新しい人生を進んで行きます!
だから最後にもう一度言わせてください。
皆さん、近畿大学への入学、
本当におめでとう!
「ああ、良かった!」
と思える大学生活を、
セルフプロデュースしてください!
そして、今日のこの出会いに感謝します。
ありがとう!
平成27年4月4日
近畿大学入学式プロデューサー
つんく♂