「お母さん、僕にありがとうと言ってくれた人がいた。
僕でも人の役に立つことができるんだね」
と、台所仕事をしている私に、
30歳の息子が帰宅早々泣きながら言いました。
息子は卒業後、東京の大手の会社に就職し、
五年ほどで人間関係に疲れ果て、うつ病を背負って帰ってきました。
「死にたい、死にたい」が口癖の毎日が続いていました。
その日は、ちょっと気分がよいから
友人のところへ行ってくると外出したのです>>>
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友人と会った帰りに、駅で目の不自由な人が、
ややこしい乗り場でウロウロ困惑していたのを息子は目にしました。
それを見るに見かねた息子が声をかけ、
その方を乗り場まで案内して差し上げたとのことでした。
帰ろうとしたら、その背中に
「ありがとう、ありがとう」を何回も言われたとか。
自分はこの社会で役に立たない人間で、生きていても仕方ないんだと、
死ぬことばかり考えていた息子。
その息子が人さまから「ありがとう」と言われ、涙が止まらなくなり、
泣きながら家に帰ってきたのでした。
「よかったね、よかったね」
答えた私こそ、その人にお礼が言いたいのです。
なぜならば、あれほど心も身体も沈んでいた息子が、
その方の「ありがとう」のひと言がきっかけで、
少しずつ病気も快方に向かっているのです。
今では病院通いをしながら、仕事にも就き、
親から離れて独立した生活ができるようになったのですから。
私には「ありがとう」の言葉は、何にも勝る妙薬のように思えます。
大阪府寝屋川市
C.K.さん