一見カカア天下、実は亭主を尊敬してやまない花子さん

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助・花子という実力派の漫才コンビがいます。

ヌーボーとした大助さんに、花子さんのキツいツッコミが入ります。

花子さんのしゃべくりの鋭さとスピードに、
大助さんのボケが絶妙な味わいを見せます。

このお二人、漫才師としては、大変風変わりなキャリアを持っています。

花子さんは婦警さん、大助さんは三菱電機のエンジニアだったのです。

一見、私生活においても、舞台と同じような
カカア天下のようにイメージしますが、実はそうではない。

そこが夫婦の面白いところでしょうね。

亭主関白かというと、それほどワンマンな大助さんでもない。

ごく普通の仲の良いご夫婦です。

ただ、見かけとスゴク違うのは、大助さんのリーダーシップです。

漫才のネタ作り、シナリオ、演出、
それらは大助さんが殆どリードしています。

そもそも、二人が夫婦になった後、漫才をやろうとリードしたのも大助さんです。

「絶対に売れる方法がある」といって花子さんを説き伏せました。

稽古が思うように任せないときにも、

一日も休まずに稽古すればよい。稽古は裏切らない

そう言って、大助さんは花子さんを励まし続けたのです。

エンジニア出身の大助さんのコツコツ積み上げる生真面目さ、
そして、いかにも上意下達の習慣が身についてる花子さんの従順さ。

そんな、人目に触れないこのご夫婦ならではの裏話がいろいろあるようです。

今から10年ほど前のことです。

大助さんは脳出血で倒れました。

病院の集中治療室に運ばれた大助さん。

その一夜がヤマと言われていたのです。

花子さんは真剣な目をして、
娘さんに大変重要なメッセージを伝えます>>>

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夜がヤマと言われた大助さんの容態。

花子さんは、娘さんにある重要なメッセージを伝えました。

「棺桶を二つ用意しておきなさい」

万が一の場合のことを考え、花子さんは、大きな覚悟をしていたのでした。

幸いにして一命を取り留めることになった大助さんでしたが、
後々、娘さんからその話を聞き、日ごろ怒らない人が、
烈火のごとく花子さんを叱りつけたそうです。

すっかり元気になった大助、花子です。

おふたりは、東日本大震災発生以後、被災地を頻繁に訪問しており、
弟子たちとともに、支援活動や公演を繰り返しているそうです。

花子さんは、ある意味、大阪女性の典型のように思います。

つらいこと、泣きたいことをチラッとも見せず、
ケロッとしてこんなことを言ってます。

「女の苦労はアクセサリーや」

そして、さらに現在のおふたりのことです。大助さん72歳、花子さん67歳になりました。

こんどは花子さんの病気発症です。

花子さんは、18年3月63歳のときに「多発性骨髄腫」と診断され、
19年6月から10カ月間、入院治療に専念していました。

現在は自宅でリハビリを続けています。

本年、花子さんは、闘病記「あわてず、あせらず、あきらめず」(主婦の友社)を出版しました。その出版記念講演会に夫の大助さんと揃って登場。

350人のファンの前でこう言いました。

「頑張ってるのは私じゃない。主治医、リハビリの先生、お付きの人、ウチの家族、お弟子さんたち。周りの皆に闘っていただいて、私は従ってるだけです」

周囲への感謝の気持ちを忘れない、いつもの花子さんでした。

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