僕みたいなヤツが飼い主でごめんなさい!

a024
学校2年の時、隣の家のご主人の、
田舎で一人暮らししているおじいさんが、
柴犬の子犬を連れて泊まりに来ていました。

あまりにもかわいかったので、軽い気持で
おじいさんにこんなことを言いました。

「この犬が大きくなって、子どもを産んだら、
 一匹ちょうだい」

それから3年経ち、僕が5年生になった時、
小さな子犬が一匹我が家に来ることになりました。

「約束してたからな・・・」と
おじいさんが生まれたばかりの
子犬を連れてきたのです。

僕はずっと犬が欲しかったので、
とても嬉しくて嬉しくて、
夜寝るときも一緒なほど可愛がりました。

しかし、中学校に入りしばらくしたら、
僕は少し荒れ始めました。

友達の家にいりびたり、
家にあまり帰らなくなったのです。

それでも、たまに帰ると犬はとても喜んでくれました。

高校生の頃に、僕は突然高熱が出て、
病院に行くことになりました。

検査の結果、重大な病気が見つかり、
そのまま入院することを言い渡されました。

入院生活は2ヵ月にも及びました。

ようやく退院することができ、
僕は久しぶりに家に帰りました。

家に帰って、ふと犬を見ると、
可愛がっていた時の面影はどこにもなく、
無残な姿になっています。

やせ細って、ところどころ毛が抜け落ちて、
ボロボロの状態だったのです。

そんな状態になりながらも、僕に気づいた犬は、
腰を抜かすほど喜んでくれました。

なぜこんな状態になってしまったのか、親に聞くと、
どうも原因は、僕にあるようでした。

僕が入院したのと同時に落ち着かなくなり、
ご飯もろくに食べず、
どんどん衰弱してしまったとのことでした。

心配した両親が動物病院に連れていくと、
思いがけない診断結果だったのです>>>

スポンサーリンク

↓Facebookからの続きは、こちらからどうぞ↓

断結果は、
「相当強いストレスがかかっている」とのこと。

犬にとって、僕は唯一の飼い主だったのです。
その飼い主がいないことで、不安に陥り、
ご飯も喉にとおらない状態になってしまったのでした。

その後、少しは回復しましたが、しばらく経ち、
また衰弱し始め、受診すると癌と診断されました。

いよいよやせ細り、最期を覚悟しなければいけなくなりました。

ある日、夜中に帰宅した僕は、
家の裏にいる犬が気になり、
いつものように小屋を覗きに行きました。

僕が行くと、いつも必ず小屋の中から顔を出して、
すり寄ってくるはずなのですが、
この日はなぜか、入り口に尻を向けて、
こちら側に出てこないのです。

声をかけると、唸って追い払おうとします。

犬の顔を見れないまま、僕は家に入りました。

翌朝早くにまた犬が気になり、小屋に行くと、
その時の姿勢のまま冷たく硬くなっていたのです。

僕は覚りました。

犬は最期の弱った姿を、僕に見せないよう
力を振り絞って唸っていたんだと。

自分が一番苦しいであろう時に
最期まで弱みを見せなかった。

その時を気づいてやれなかった自分を悔やみました。

一緒に成長したのに、

僕が荒れてた頃は、
八つ当たりしたり、放ったらかしにしていたのに、

でも犬は、全力で僕を愛してくれたのです・・・

こんな飼い主で幸せだったのだろうか…。
もっといっぱい愛してやればよかった…。

申し訳ない気持でいっぱいになり、
涙が止まらなくなりました。

それから大人になった今、
新しい犬を飼い始めました。

子どもの頃一緒に暮らした、
あの犬によく似ています。

今は、玄関の横で、僕や僕の子どもたちを
見守ってくれています。

スポンサーリンク