「子供の声がうるさい」との住民からの苦情。その時管理人は・・・

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つの時代も必ず話題になる住民問題の一つ、「子供の声」。
マンションや住宅集合地ではおなじみといっても過言ではないこの問題は、
常に賛否の声が分かれる話でもあります。

この話は、とある大型マンションでの話。
管理人室に寄せられたのは、3世帯からの苦情の声でした。

「隣の家の泣き声がうるさくて、夜も眠れない。
 なんとかしてほしい」
「夜中にも関わらず大きな泣き声が聞こえてきて、
 眠れない。こんなところには住めない」
「子供の声がうるさすぎる。騒音」

相当、悩まされていたのでしょうか。
非常に強い文調で綴られている、子供の声に対しての苦情文。

それに対して、マンションの管理人が、一つの行動を起こしたのです>>>

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世帯から寄せられた、子供の声に関する苦情。
それに対して、マンションの管理人は、
「意見書」という書式で、一つのメッセージを綴るのでした。

そしてその3世帯に対して、プリントを投函します。

その意見書の中には・・・

管理人の問題の解決に尽力している「努力」と、
それでもこの問題の根本にある「子供との接し方」
についての意見が綴られていたのでした。

管理人の○○です。△△△号のお子様の泣き声等に関わる騒音のご意見、拝読しました。
この度、管理会社に稟議を通し、特別予算として、子供の泣き声に対しての防音措置を取るべく防音シートの購入予算を確保いたしました。

(中略)

取り急ぎ、△△△号の部屋に防音シートを施工することが決まっており、これによりかなりの防音効果が見込めると考えております。
またご希望者には△△△号に隣接している部屋に対しての防音シートの施工を行いますので、ご希望の場合は管理人室までお申し付けください。

ただ、一点、管理人の○○から、個人的な考えをお伝えさせていただきたいと思います。
私たちには皆、幼少期がありました。
個人差はあれども、私たちは記憶にない時間の中で、幾多の癇癪を起こし、部屋を汚し、お漏らしをし、他人に迷惑を掛け、そうして今の時まで成長することができました。
それができたのは、記憶にもない時期の、迷惑極まりない赤ん坊行為を数多くの人々が受け入れ、許容し、それでも愛してくれたからではないかと考えております。

(中略)

今回、△△△号のお子様の泣き声等について、相当のストレスを抱えていることと存じます。
ただし、それは、私たち大人が記憶にない幼少期にやったことと、全く同じことなのです。
その時、親は、近所の人は、町の人々は、どのようにあなたのことを見ていたでしょうか。
迷惑と責め立て、騒音と扱い、排除しようとしていたでしょうか。

(中略)

この度、生活に支障をきたしているということを理解した上で、特別措置を行いました。
ただそれでも尚、私たち大人のあるべき姿として、赤ん坊行為を排除する様な態度・言動を行うのは控えた方がいいのではないでしょうか。
彼ら・彼女らは、まだ記憶もない赤ん坊です。
泣くのが仕事です。
迷惑をかけながらも成長するのが仕事なのです。

どうか、マンション内や近隣の場所で△△△号の家族や子供に会った時は、温かく受け入れる様、お願い申し上げます。

その後、この管理人のメッセージに共感したからなのか、
単純に元の部屋の音が軽減されたからなのか、
結果的にこの3世帯から、防音シートの施工依頼は全く来なかったそうです。

もちろん、子供の声で本当に生活に悪影響を及ぼしてしまう人がいて、
苦しんでいる人がいることはわかっています。

それでもこの管理人の話を聞いて、そうして私たちも子供の頃に
迷惑をかけてきたという事を、決して忘れてはいけないように感じました。

私たちが記憶のない時に、たくさんの人たちが、
私たちの迷惑な行動を受け入れてくれてきたのですから。

多くの人に関わるこの問題。

この管理人様からのメッセージが、
何かしらの気づきのきっかけになる事を願ってやみません。

出典:http://cadot.jp/impression/4863.html?detail

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