20年前後、昔の話になります。
名古屋の栄の焼き肉屋へ家族で行ったときのこと。
座敷席にカズさんと北沢選手と、数人のファンらしい女の子がいました。
たぶん遠征中だったのでしょう。
当時、私は高校生でした。
小学校三年の弟はサッカーをやっていました。
尻込みする弟を私は、せっかくだからと、カズさんの前へ連れて行きました。
そして言ったのです。
「お楽しみのところすいませんが、弟がサッカーやっているんで、
何か言葉をいただけると励みになるんですが。」
なんと厚かましいお願いをしたことでしょう。
カズさんは嫌な顔もせず、
「お、サッカー少年か」と楽しそうに言いながら、
座敷席の奥からわざわざ立ってこちらへ来てくれました。
そして、しゃがみ込み、弟と目線を同じ高さにしました。
「サッカー少年は勉強がよくできるか?」
と、いきなりカズさんは弟に聞きました。
弟の成績はそれなりによかったのです。
弟は「うん」と答えました。
するとカズさんはこう言いました。
「頭のいいやつは、トップ下、MFがあってる」
そう言いながら、カリオカ、ラモスの名前を挙げたりしました。
さらに何かを言おうとするカズさんに連れの女の子が声をかけました。
「ねえまだー」とか、露骨にいやそうな顔で声をあげたのです。
カズさんの表情が曇りました>>>
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それまでの穏やかなカズさんの笑顔。
それが険しい表情に一変したのです。
カズさんは、振り返ってひと言、言い放ちました。
表情は向こう向きだったから、わかりませんが、
たぶん厳しい表情だったのでしょう。
「うるさい。俺たちは今サッカーの話をしているんだ」