3.11 東日本大震災で自らを犠牲にして
わが子を守ったある母親の実話です。
地震の鎮まった後、救助隊は、ある若い女性の家に到着し、
そこで瓦礫に埋もれた彼女の遺体を発見しました。
しかし、彼女の遺体はどういうわけか
奇妙なことに膝立ちし、あたかも祈りを捧げるかのように、
身体を前方にやりながら、
両腕に何かを包み守っているかのようでした。
倒壊した家屋は、彼女の背中と頭にのしかかっています。
数々の困難な状況にありながらも、救助隊リーダーは、
狭い壁の隙間に手を入れ、
何とか彼女の身体に触れようとします。
彼は、彼女にまだ息があるものと信じていました。
ですが、彼女の冷えて硬直した身体は、
彼女がもう既に亡くなっていることを物語っています。
彼と隊員たちは、その家を後にし、
隣の倒壊したビルに向かおうとしました。
そこで途中、リーダーは思うところあり、
急きょ彼女の家に引き返す指令を出したのです。
彼はそこで再びひざまずき、
今度は瓦礫の隙間から、彼女の遺体の下の、
小さな隙間に手を入れてみました。
そこで彼は突如、興奮して叫びました>>>
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「子供だ!子供がいる!」
そしてチーム全体が協力し合い、
彼女の遺体周りの瓦礫を除去していきました。
するとそこには、母の身体の下で、
花柄の布に包まれた生後三ヵ月の小さな男の子がいました。
その母の姿は、明らかにわが子を救う、
究極の自己犠牲の姿でした。
家が倒壊する時に、
彼女は自分の身を投げ打って、
息子の命を守ったのです。
救助隊が救い出した時、
幼い男の子は、未だ静かに眠りについたままでした。
医師は速やかに幼子の容態を確かめに駆けつけます。
布を開くと、そこには携帯電話も包まれています。
そのスクリーンにはこう書かれていました。
「もしもあなたが生き残れたなら、
わたしがどれだけあなたを愛していたか、
どうか憶えていてね」
携帯はそのままその場の全員に手渡されました。
そのメッセージに皆涙をこらえきれませんでした。
「わたしがどれだけあなたを愛していたか、どうか憶えていてね」