ぼんやりふさぎこみ、何かじっと考えごとをしていました。
持病の喘息が出ている様子でもないし、
身体の調子ではなく、何か心配事があるのが窺えました。
ひょっとしたら、持病のことでイジメにでもあってるのでは、
または、親にも相談できない悪いことをして悔やんでいるのか、
そんな悪い想像がつのってきました。
息子の様子を、距離を置きつつ見ていましたが、
今日、学校から帰って来て、まだいつもと様子が違うようなら、
よく話を聞いてみようと思っていました。
そんな時に、電話のベルが鳴り、
「西日暮里駅交番の××と申しますが…」
え?と一瞬私は我が耳を疑いました。
そこまで聞いて、息子に何かあったのでは、
と身体から血の引く思いで次の言葉を待ちました>>>
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「○○君から△日の夜、山手線車内での迷い猫の届け出があったのですが、
息子さんからその話は聞いてませんか?」
とのこと。
「早くお知らせすればよかったのですが、
近所で飼ってくれる人が見つかりました。
優しい息子さんですね。途中下車して届けてくれたんですから…」
と、なんともうれしいお電話だったのです。
帰宅した息子を待って、早速報告しますと、
「ああ、よかった」
と、これまでの沈んだ表情が一気に明るい表情に変わりました。
そして、やっとその日の車中での様子を語ってくれました。
先輩のお見舞いに行った帰り、電車の中に猫がいて、
座っていた息子の膝の上に乗って離れず、乗換駅まで来てしまったこと。
周りの乗客に尋ねたら、
「駅員さんに届けなさい」と言われ、
抱いて降り、駅員さんに事情を説明すると、
「困っちゃうな……。その辺に置いておいてよ」と言われたこと。
このままでは、電車にひかれることもあると思い、
心配で途中下車をし、改札口を出て交番に届け出たこと。
そんなことを息子は話しました。
それでも、友だちからは、
「交番に届けたら保健所に送られて殺されちゃうよ」と言われ、
届けたことを後悔して、息子はずっと沈んでいたらしいのです。
息子には喘息があるため、
病院からは小鳥や動物を飼うことは禁じられていましたが、
小さい頃から動物を飼いたいとの願望は人一倍強い子でした。
猫の飼い主を見つけてくださったお巡りさんの優しさと、
息子の気持を分かっていらしたかのように、
わざわざ家に電話をくださったことに、頭が下がります。
私ども夫婦のとかく喘息の息子の将来を心配しがちな心に、
明るい心をさしていただいたようで、
感謝の気持でいっぱいになりました。
参考本:涙が出るほどいい話 「小さな親切」運動本部編
「息子と猫とおまわりさん」を下敷きにしています。