ぐずぐず死んでるヒマなんか無いで!

b131
の病気が発覚したのがちょうど1ヶ月前のこと。

ステージⅢ後期の大腸癌っていう診断だった。

リンパも腫れていて転移も十分考えられる。

結構ヤバイ状況だと。

嫁に言った。

「すまんっ!もしかしたら手術間に合わんかも知れない」

しかし俺の嫁は凄い奴だと思った。

「今まで忙しかったから、
 ○○(娘)と、あんたはあまり遊んでないやろ?
 こうなったら手術まで、私も仕事を全部休むわ。
 思い出作りじゃー!(笑)」って。

それこそいろんな所へ行った。遊んだ。

俺の体調が悪い時には「休んでたらいいよ」って、
ずっとハンドルを握ってくれた。

ディズニーランドへも行った。

慣れないカメラを握り締めて、汗だくになって、
必死に俺と娘のドナルドのスリーショットを撮ってくれた。

2週間丸々、嫁ともうすぐ2歳になる娘と共に
家族で目一杯過ごした。

本当に楽しい毎日だった。

数日後、手術のために入院生活に入った。

そして昨日、2週間あまりの入院を終えて退院した。

大腸や周辺リンパをけっこうゴッソリ取ったにしては
医者もびっくりの回復状況で、当面は大丈夫そう。

身体も心も安堵したら、
何よりも大切な家族への思いがこみあげてきた。

ほんとは誰より辛かっただろうに、
おくびにも暗さを見せず、
明るく明るく振舞ってくれた嫁。

とりわけ嫁には、ちゃんとした言葉で
感謝を伝えたいと思った。

そうだ、結婚以来、ろくに”愛してる”
の言葉すら発してなかった。

そのことに気づき、「愛してるよ」のセリフを
何度か練習した後、胸に飲み込んで
嫁が来るのを待った。

病院に迎えに来てくれた嫁に、今しかないと、
準備してたセリフをきり出そうとした矢先のことだ。

嫁がボソッとひと言・・・>>>

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が言った。

「私もちょっと病院行きたいねん」

出鼻を挫かれた俺は、そのままヨタヨタ歩いて嫁の運転する車に乗り込んだ。

車が着いた先は産婦人科の駐車場

「死んでるヒマ、無いで!」って、
助手席の俺を横目で見ながら悪戯っぽく笑った。

あっけに取られて、結局言いそびれてしまいましたわ。

「愛してるよ」のセリフを。

今晩、もう一回チャレンジしてみます。

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