カップ麺、あなたはお好きですか?

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藤百福さんをご存知でしょうか?

僕らの小腹を満たすのに不可欠の食材、
そうカップ麺の生みの親、日清食品の創業者です。

NHKの連続朝ドラ「まんぷく」では、その安藤さんご夫婦がモデルになりました。

安藤百福という名前からは、なんとなくほんわかとした、
安らかで福々しいようなイメージがあります。

でも、ほんとはすごい厳しい逆風にさらされた人なんです。

戦時中は、軍事物資の横流しというあらぬ疑いをかけられ、
憲兵隊から拷問を受けました。

戦後は脱税容疑で戦犯と一緒に監獄に入れられました。

どちらも無実の罪だったのです。

さらに高度成長期に差しかかる頃、百福さん41歳の時には、
名前を貸しただけの信用組合が倒産。

それにより、全責任をとらされ、自らの全財産を失うことになります。

さすがの百福さんも一文無しになったときは、呆然自失に陥りました。

でもそんなときでも奥さんは、こう言いました。

「さぁ、ご飯にしましょう。
お腹がすいたら何も始められないでしょ?」

百福さんは、ハッと気づきました。

財産を失った。しかし妻は一緒にいてくれる。
子どももいてくれる。

「何だ。失ったのは財産だけじゃないか」

財産はゼロになった。これは一つの区切りとも言える。

だったら何か事業を始めてみよう。

何がいいだろう?

「何をやれば、世の中を明るくできるだろう?」

そこから、家庭で簡単にできるラーメン、
お湯だけで出来るラーメンの偉大なる物語が始まるわけです。

話をドーンとすっ飛ばして、

最初の即席ラーメンが試行錯誤の結果、
何とかかんとか出来あがりました。

その試食の場面です。

試食者は、家族だけでした。

子どもたちが歓声をあげました。

「おおおお。ホンマできとるでー!」

そしていざ試食。

「うまいっ!!!」

しかし、奥さんの感想は・・・>>>

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さんの感想です。

「味がよくわかりません」

奥さんは泣いていたのです。

百福さんがどれほど情熱をかけてここまでこぎつけたのか、
よく知っていたから、嬉しすぎて味がよくわからなかったのです。

というのも、ラーメン作りの知識などまったくないどシロウトながら、
百福さんは毎日、朝5時から「実験室」に閉じこもり、夜中の1時、2時まで研究。

睡眠は平均4時間ほどで、丸1年、休むことなくラーメン作りに明け暮れていたのでした。

「おまえのおかげだ」

百福さんは、奥さんを抱きしめました。

参考本:明日が見えないときキミに力をくれる言葉
出版:SB文庫
著者:ひすいこたろう

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